https://www.youtube.com/watch?v=iKQOLjmJvJg
ドラマ　なつぞら　の主人公にはモデルがいた。

奥山玲子は病弱な文学少女として育ったが、大人に反抗し家出同然に東京に上京。
アニメーター募集を童話系の絵描き募集と勘違いした奥山玲子は東映動画にアルバイト待遇で入社。
そこで思う存分、搾取の限りを尽くされた。
アニメーターの給料はとにかく安かった。

メキメキと頭角を現した奥山玲子は東映動画の正社員になるが結婚すると途端に東映動画が
「主婦は面倒だから辞めろ」と圧力がかかった。
その内、奥山玲子の旦那が東映動画を首にされるなどアニメーターは雑に扱われていた。
そこからアニメーターの労働組合と東映動画との闘争が始まる。
東映動画にウンザリした奥山玲子は退社してAプロに移籍。
そこで良いアニメを作っていたが、やはり組織に馴染めず退社。
一説によると、あまりの激務で過労、栄養失調になり入院したという。
当時のアニメ会社では何日も風呂に入らないのが常識になっていたので、
監督が女子社員だけでも風呂に入れるようにしてくれと会社に直訴しなければならなかった。
奥山玲子はフリーになった後、アニメ学校で講師を務めるなど後進の指導にあたる。
その後、銅板作家などの芸術活動に邁進する。

奥山玲子は肺炎になり７７歳で死亡。
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アニメーターって本当に安い給料でこき使われて栄養失調や過労で入院という話ばかり耳にする。
全ては鉄腕アトムを作った手塚治虫が悪いのかも知れないなぁ。
手塚治虫の虫プロは安い単価で鉄腕アトムを作ったからと他所のアニメ会社も、その激安単価に無理やり合わせられたので、アニメーターの生活は逼迫した。
虫プロ＝手塚治虫はビジネスではなく趣味でアニメを作りたいというだけで鉄腕アトムを企画した。
テレビ局は番組制作費を安く抑えたいというのでドラマ制作費の半額で鉄腕アトムを作ることになった。
アニメなんか手間がかかるのにドラマの半額で作れるわけはない。
手塚治虫は私財を投じる事でアニメ制作現場を支え続け、鉄腕アトムは
第34話「ミドロが沼の巻」以外は立派な作画で放送された。
第34話「ミドロが沼の巻」制作当時、手塚治虫さんの仕事が忙しすぎて外注にするしかなくなった。
この為、第34話「ミドロが沼の巻」は面白い顔のアトムが「えーい！」っと言いながら走り回っていた。

アニメーターに貧乏な生活をさせているくせにアニメ会社は「もっと安くアニメを作れないか」と韓国に一部の仕事を出すようになる。
１９９０年前後の韓国アニメーターの作画水準は素人同然だったが、
下手くそな原画・動画が日本に航空便で届いた時には、すでに手遅れだった。
日本企業相手なら描き直しを要求できるが、韓国に今から描き直しさせている時間的余裕はない。
このため日本の作画監督は泣く泣く日本のアニメーターに作画を修正させていた。
しかしアニメ会社は安く上げたいから、韓国の作画をそのまま放送に使えと要求。
これ以降、日本のアニメは作画崩壊が日常的になった。
下手なカットをテレビ放送に使ってもDVDで発売する時には手直ししたものが収録されていた。
それが日本アニメの最後の良心だったのだろう。

アニメーターの給料が安いからと一時期、労働組合が社会に対し大規模な抗議活動をしたことがあった。
「お前ら、消費者がDVDを買わないから俺たちアニメーターは壊れたメガネを買い換えることも出来ない」
という八つ当たりのような主張は黙殺されたように思う。
客がDVDを買う、買わないに関わらずアニメーターの給料が安いという現実は変わらないのではないだろうか。
安く作って高くDVDを売り、アニメ会社は儲けを出すのである。
何でわざわざアニメーターの給料を上げなければならないのか。
資本主義の世の中では労働者は搾取される運命なのだ。

よく良いアニメを作れば儲かる、という話を耳にするが作品の善し悪しと儲けは違うものである。
オネアミスの翼　製作費8億円、配給収入3億4700万円　は非常に良く出来た意欲的な作品だったが制作会社は数億円の借金を背負い、その返済に追われた。

アニメーターは貧乏という一般論が社会を支配するとアニメ監督などは慌てて、それを否定する。
「アニメーターが貧乏なんて、昔の話ですよ。今ではちゃんと給料が出ている」
などといい加減な話をする。
昔、聞いた話では１枚絵を描いて５０～２００円だそうだ。
そんな単価でどうやって給料を稼げと言うのか。
アニメーターは現代の奴隷そのものではないだろうか。