囁き
ネジの壊れたオルゴールが暗闇の中で私を呼んだ、
そんな夢を見た。
確かそんなオルゴールがあったような、
宵闇が迫る蒼く沈んだ影の中で声が聞こえたような。
ふと目をやると、
そこにいくつかあるアンティーク調のオルゴール。
兵隊さんが楽器を持って並んでいる、
持ち上げると動かないはずのオルゴールが唐突に曲を奏でた。
陽だまりを飛ぶ蜂の翅音のようなひびき、
羽が陽をあび碧霄に白く浮かびあがるその囁き。
ずいぶんと昔に聞いたことがある音、
ピアノ線が誘導するごとくわき目もふらずに聞き入った。
眼をつぶると私は、蜜函のある平原にいた。
一瞬の囁きには、二度目はなかった。
オルゴールをテーブルに置くと、
かすかな音が聞こえた。
楓花
2019/05/04 10:43:35
オルゴールの音色は、少しの間、違う世界に誘ってくれます^^
やさしい風が耳元で、なにか囁いているような~うっとりと~~♪
甘いささやきを奏でているような~♥
KEI
2019/05/02 21:57:20
甘やかな囁き…(*˘︶˘*).。.:*♡
秋コアラ
2019/05/02 18:05:26
時間が曲がった^^。