麒麟

麒麟

♪♪♪ ...の庵 ♪♪♪

小説/詩

 君が愛しいと強く抱きしめて
  其の為ならば命さえも厭わないと
   仄めかすから 僕は冗談で
    拗ねて見せると
  慌てて 抱きつくから ずるいのさ
   そんな そんな風にね
  
  大丈夫 逃げやしないよ
   君が不安を感じて嫌々する度に
    僕は最最強くならなきゃって
     思ってしまうんだ

  ううん 重く受け止めないで
   
  透明な水が滴り落ちて
   其れを拭う度に空を仰ぐ
    チクショウ なんでだ? 何で彼女なんだ?

  一年は初々しく 二年目は絆されながら
  三年目は君の手料理とビールを運びながら
   夏を彩る夜空の花魁花々を
    楽しみながら過ごした...

  渡したのに身に着けてくれなかったもの
  決して受理してくれなかったもの
  少し歪に歪んでいて
  其れがどんな想いでいたのかが伺える

   此の季節は変わらずやってくる
   僕は君が守ると誓ったのに
   守れずにいたそれらを
   代わりに最後まで見届けるまで
    このままでいるけれど

   其れを重いと感じないで欲しい
   
    この子等も不安を感じてしまうよ?

  其れよりも 安心して此処に戻ってきて
   期間限定の時間
   感じる事も見る事も触れる事も何も出来ないけど

   コンビニで買ってきた惣菜とビールをつまみに
    あの夏一緒に見た夜空の花々を
     あの時のように君に寄り添われて
      見上げているつもりの僕がいる

      君が愛しくて泣きわめいて懐いてくれなかった
       あの子等も 今はもう きっと
      同じ気持ちで過ごしている
       時々慰めてくれるんだ

     心寒い時膝に乗っかってくれたり
     シャーシャー警戒して引っ掻きまわした癖に
     今は 僕を家族と認めてくれている

      だから 安心して

     君は僕らが大好きだった微笑み一つで
         帰ってきて