幻獣は、夢を見る。
はるか、むかしに。
その獣は、あるじと共に大地を、空を駆けた。
今は、あるじを失い、眠りのなか。
その嘆きが、悲しみが、
少しでも癒えるようにと、
わたしの祖先は、眠りの魔法をほどこした。
時は過ぎて、
幻獣たちは数を減らし、
魔法も、神秘も、過去のものになり果てた。
それでも、わたしは、薔薇を捧げる。
心優しいドラゴンの、
眠りが穏やかであるように。
夢の中で、彼女の愛したあるじと出会えるように。
そして、自由に、大地を、空を行けるよう。
眠りの魔法を、つむぐ薔薇を。
***
眠れるドラゴン。
六月に、アルバム広場に上げていたのを忘れていました。こっちにも文章を載せました。
なお、ドラゴンの側にイスを配置してあるので、そこに座れば、ドラゴンに寄り添えます。