麒麟

麒麟

♪♪♪ ...の庵 ♪♪♪

けい

小説/詩

 望んでも悔やんでも もう遅いから
  引きずるのはやめよう
   泣き崩れるのはやめよう

 夏が見せた蜃気楼
  幻を追いかけ
   今を失う そんな風に慣れないのだから

 消え去る景色と
  留まる景色に
  重なりあって
   私の中に染み渡るから
    下を向く事が出来ないの

 留まれば 蝶
  食えば  花
 許せないなら 楔
 見守る勇気が在るなら
  二度は無い

 明日 又会えるよね?
  判り切った口約束をして
 手を振りあって背を向けた

  振り返る事の無い今日に
  振り向く事の無い明日に
  変わるだろう 未来に
   私は 憂いている
 
  でも 涙は見せなかったよ
   其れが唯一誇れる自分だった

  赤い 赤い 真っ赤な
  風船飛ばそう
  届かなくてもいい
  その方がいい

  夕暮れの空になびいて行く
  自由な風船は あらわれ