麒麟

麒麟

♪♪♪ ...の庵 ♪♪♪

ねさ

小説/詩

  玩具箱の一番下で
   僕は考えていた

 身動き出来ない息苦しい
  まるで朝の電車の中みたい

 其れでも自分から動けない 
  動く事も無く


 只只管 此処から出してくれる
  存在を求めて居続けた

  
 月日は流れ 玩具箱を
  漁る音も消え
 僕らは皆それぞれに 
  諦めを知った


 微かな物音さえも
 見逃さないように
 わずかな希望一つさえ
 叶わぬ此の場所で


 朽ちて逝くだけなのか
  それとも
 又 漁る音を聞くことが出来るのか

  呼んで欲しい
   僕らを
  求めて欲しい
   僕自身を

 そんな風に居たから
  君は...

 改める必要も無く
 感情をネジで止めて
 逆回りの時計が在ればいいって
 願いながら
 今 まだこうしてる

 あの頃のピカピカの玩具箱に
  まだ 固執している


 そんな 僕を
  君は知ったら
   笑うかい?