ゴイクントムは、船乗り時代に食べたあの味でした。
ゴイクントムを齧ってみると、船乗りとして活躍していた時に仕事先の国で食べたあの味がしました。
もらったステキコーデ♪:27
私は、アラビアンナイト風の衣装の女性が差しだしてきた“ゴイクントム”を戸惑いながらも受け取ると
念の為観察したり匂いを嗅いだりしてみました。
(不審な点は無さそうですね)
恐る恐る一口齧ってみると、船乗りとして活躍していた時に仕事先の国で食べたあの味が口の中に広がっていきます。
「…美味しいです。」
「お口に合って良かったです。うっかり作り過ぎてしまったので、良かったらどんどん食べてくださいね。」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えていただきます。」
丁度お腹が空いていた私は、大きなお皿に大量に積まれたゴイクントムを次々と頬張っていきました。
「そういえば、どうして魔術師さんは私と話をしたかったのですか?」
「私は、以前からドラゴンと人間が争い傷つけあう事に心を痛めていました。この水龍は、私の唯一無二の相棒なのです。」
「そう…なんですね。」
「実は、貴方の様子を時々千里眼で覗いていました。貴方は、人々を苦しめる悪しきドラゴンは倒しても、善良なドラゴンは決して傷つけたりしなかった。だから、貴方とならば人間とドラゴンの良い関係について話し合えるのではないかと思ったのです。」
「…私は、これからも悪しきドラゴンと戦い続けるでしょう。悪しきドラゴンを倒す、それが私に課せられた使命だから。」
「…。」
「ですが、決して無差別にドラゴンの殺戮を行ったりはしません。」
「…それを聞いて安心しました。どうか忘れないでください、人間とドラゴンの共生を願う者がいる事を。」
それから、私は魔術師さんと人間とドラゴンの共生について小一時間話し合っていました。
―私は、この出会いを一生忘れない事でしょう。
(fin.)
Ruin.+
2019/12/05 00:02:54
拍手ありがとうございます^^
そして、最後までお付き合いいただきありがとうございました(ペコリ)
ちゃー
2019/12/04 05:09:36
パチパチパチ!!