しつこく同じネタw
池江璃花子さんが退院できたようです。もちろん完治しているわけではないですが、まずは良かったなと思います。
で、その池江さんのバタフライ。驚異的に速いわけですが、以前NHKのクロ現で彼女の特集をした時の録画を見ていて、驚きの発見をしました。
かき切った腕を水上に出して前に戻すフォローの腕の高さが、とてつもなく高い!
体の位置は決して水面から立ち上がってはおらず、水面に対して平行で、そして無駄なうねりがなく、水中も非常に浅い水深で滑るように泳いでいます。
なんでそんなことが出来るのかといえば、もちろん肩関節の柔らかさはあるのですが、とにかく肩甲骨周りも柔らかいらいしのです。腕を捻りあげるのではなく、肩甲骨から先全体を背中方向に寄せて肩の位置を相対的に上げることで、腕も高く上がるのでしょう。そして高く上がった腕は、そのまま普通よりも遠くへ入水するので、ストローク量を稼ぐことができるわけです。
番組では、その腕の高さには全く言及されてないのですが、とにかく私はそこに目が行きました。しかしわたしが注目したのは、ストロークを稼げるという、そこではありません。
肩甲骨をグッと持ち上げてフォローが出来るということは、仮に同じ腕の高さまでしか腕を上げないとしても、肩関節を無理にこじらずフォローができる、ということです。実は、番組自体はしばらく前に見ていて、いまのことに気がつく前に池江さんの真似をして、自分なりに可能な範囲で肩甲骨を高く寄せて遠くへ腕を伸ばす泳ぎ方を試していました。その時、ものすごく伸びやかな泳ぎが出来るという実感はあったのですが、なかなかその状態を保って泳ぐのは大変で、意識しないとすぐに元の状態に戻ってしまっていました。
でも今思うと、あの時に伸びるように泳げると感じたのは、視点を変えれば恐らく楽にフォロー動作が出来ていた、ということなのです。
そしてもう一つ、大きな発見をしてしまいました。池江さんのフォローは、手の返しが早い!
一般的に、バタフライのフォローは手の甲が前向きに近いままとなり、親指がやや下を向いた状態で手先が入水します。もちろん人によるのですが、それにしても池江さんのフォローは、入水時に手のひらが水平に近い状態になっています。
手の甲を前向きにした内転状態のまま腕を振り切る動きは、実は野球の投手がシュートを投げるときの動きによく似ています。そしてシュートは、投手が故障を起こしやすい球種でもあります。
以前に教わっていたコーチからは、フォローは力を抜いて、と言われ続けていました。それはクロールでもなんでも同じですし、必ずしも肩の故障を意識しての指導ではありません。しかし、力の抜けたフォローは、腕をこじらず手のひらを水平にして入水する自然な動きにつながり、結果的に肩の故障抑制にも貢献するはずです。
故障は良いことではありません。でも、故障は本当にいろいろなことを学ぶ機会にもなります。これから復帰に向けて何が大切か、復帰した時にどんなフォームを目指すのか。水泳をするということを考える、いい機会だと思って精進するしかありませんね。
長々と故障ネタを引っ張りまして、失礼しましたw