脳活日誌1644号
常の世にあらず
世はまさに非常事態になってきた。コロナ感染が1日で三桁になってくると、全国であっという間に万単位の感染者が出る。一体に、我が国の感染症に対する考え方が甘すぎたといわれている。当初はインフルエンザと同じで菌に多少の変異があるが、やがて収束していくだろうと楽観視されてきた。これはオリンピックの開催国でもあり、年内に実施したいという願望があったからだろう。
ところが新型コロナウイルスは忖度してくれませんでした。毎年、流行するインフルエンザとは違った症例が多数出てきて、しかも、感染してから発熱、肺炎による重症化が顕在化してきた。ここにきて手遅れであったという反省が出てきている。それに当初、若者には軽症者が多いからという先入観を与えてしまった。若い人の多くは、何事においても気ままな面があるから、俺はサー。風邪なんかにかかったことないし、体力あるから心配いらないよ。こう錯覚して動き回り、挙句の果てに多くの地域にコロナ菌をばら撒き、拡散させてしまった。
また、夜歩きの好きな人がバーやクラブ、ライブハウス、カラオケなどで歌って飲んで,梯子酒をし、あちこちの店でコロナ菌をばら撒くという結果になっている。さらに介護施設や病気を治すべき総合病院で院内感染が拡散して、統制がつかなくなってきている。この際、冷静に我が国の感染症対策の総元締めである保健所行政のあり方についても、根本的に考え直さないといけないのではなかろうか。専門家の意見を聞いていると、感染症の学者は感染症が発生していく傾向を探りたがっているように思えてならない。病魔が広がっていく傾向の中で、一定の対策を考えているから、どうしても後手、後手にしか手が打てていないのではないか。また、治療薬開発という点では感染症の専門家との連携が十分に取れていないような隙間風があるように思えてならない。いくらでも言いたい気持ちになってくる。