セカンド

雪そして春

小説/詩

そうだ雪が降っていた
この景色はすべてが冷たく白かった

今はどうだろう
吹く風も暖かく全てが緑に萌えている

つるバラも無数の蕾を付けた
もうじき赤い小さな花を咲かせる

枝に触れると棘が痛い
私もバラも生きているのだ

瞬時に思い出す
そうだ雪が降っていた

心の小さな感傷が
冷たく白い雪に温かな涙を落とした時を

風に勝るとも日差しは暖かい

どこまでも優しく
それは私を照らす

目の前の光る緑の葉に
私は思いっきり息を吹きかけた

強く
揺れた

春の風があたるより
それは強く





  • セカンド

    セカンド

    2020/05/09 16:41:29

    粋生夢詩 様

    人間も広くとらえれば自然の一部なのかもしれません

    長い長い地球の歴史の中で
    今さっき発生したうごめく泡のようなの存在?

    僕たちは生きている事を意識して
    確認する機会ってあまりない

    風のように息で枝を揺らすこともできるし
    涙の雨を降らせることもできる

    人間って底知れない力を持っているのかもしれない
    気づくか気づかないかだけ

    加えて逆に力が弱い所も多くあることに気づかない
    一人では生きていけないということだと思う

    肉体的にも精神的にも
    強いけれど儚く弱いということを悟るべきと思う

  • 粋生夢詩

    粋生夢詩

    2020/05/09 02:00:28

    春の息吹が自然のものだけとは限らない。
    人間や生命の中にも芽吹きがあるのかも知れない。
    いやそれこそが自然の摂理というものか?
    うららかな陽射しより、そよぐ風よりも
    生きとし生けるものの呼吸が、この世界を揺らしているのか。