残念!
南北8000kmにわたって南アメリカ大陸を縦断するアンデス山脈
15世紀 この世界最長の山脈に出現した帝国は急激にその支配地域を拡大し、16世紀初頭には日本の約8倍もの領土を誇る大帝国になった。文字も鉄器も大型家畜も持たないアンデスの人々が築いたインカ帝国! しかしその栄光もつかの間、帝国の黄金に目がくらんだスペイン人によって滅亡に追いやられた。
破壊し尽くされ姿を消したこの文明とは・・・?
1911年7月ペルーのアンデス山中をアメリカ人の大学講師のハイラム・ビンガムの一行が歩いていた。目指すは先住民がマチュ・ピチュ(年老いた峰)と呼ぶ尾根。そこにインカ帝国の末裔が築いた「黄金都市ビルガバンバ」があると信じていたからだ。
ビルガバンバは1533年にスペイン人によってインカ帝国が滅ぼされた後、インカの皇族がスペインへの反乱の拠点として築いた都。しかし、蜂起から40年も経たないうちに全ての反乱軍は捕らえられ、そして都は放棄された。スペイン人たちはインカの財宝を求めてこの都を探したが見つけることはできなかった。やがて、この都の存在は伝説となり19世紀以降多くの学者や冒険家が探したがアンデスの厳しい自然に阻まれことごとく失敗に終わった。
ビンガムも伝説に挑む一人だった。1911年7月24日標高2400mの峰の頂に木や苔に覆われた古代都市遺跡が忽然と現れた。空中に浮かぶかのようなこの遺跡を見たとき、彼はこれこそ探し求めていた幻の都ビルガバンバと考えた!
しかしこの都市は15世紀半ばに造られたビルガバンバとは別の古代都市だった!
残念!!