6~人でも神でもないもの~
お待たせしました(待ってなかった?)。
後半連載開始します。
祝日に加筆修正し、9話じゃなくて、切り良く10話にしてみました。
なので、びっくりスパイスは、最終話に。
そう意図はしてなかったのに、王妃が主人公のような感じになりました。
チャイさんからの、意外な高評価のせいでしょうか。
それにしても、固有名詞が一切出てきません。
きらびやかなカタカナ名前を並べるのが、こっぱずかしいせいでしょうか。
それとも考えるのが面倒なだけでしょうか。
では皆様、召し上がれ。
しかしあまり大人数で行って、万が一にも蛙を踏みつぶしでもしたら一大事です。
蛙が大嫌いな王妃様と王女様は置いて、王様は一人王宮の森に向かいました。
事情をを打ち明けた、王子の乳兄弟の青年から、場所は池のほとりだと聞いています。
蛙には似合いの場所かもしれません。
王様は、小動物を踏みつぶしてはいないか確かめながら、慎重に腰を下ろしました。
どの生き物が誰の変化した姿かわかったものではない、という心境です。
そして小声で呼びかけました。
王子よ、もし答えられるならここに出てきてほしい。
事情を知る者の前には出てくることができないというのなら、なるべくこの場から離れないでほしい。
お前を元の姿に戻してくれるものが出てくるまで、身の安全に気を付けて過ごしておくれ。
私はあきらめないから、お前も気を強く持っておくれ。
王妃が謝っていた。
私も、王妃の気持ちに気付けずに、お前に辛い思いをさせてすまないと思う。
元に戻ったら幾重にも詫びるから、その日が来るのを待っていておくれ。
…何しろ、他人には聞かせられない話です。
王宮の森は当面立ち入り禁止にしてあり、厳重に見張りも置いて人が入れるとは思えませんが、大きな声を出すのは憚られました。
森は静かで人気がなく、池の水面は陽で輝いて、こんな屈託さえなければ神話のように厳かで美しい風景でした。
「何をつぶやいているの?」
不意に頭の上から声がしました。
王が目を上げると、ひらひらしたショールのようなものを羽織った乙女が、上空から漂い降りてくるところでした。
「貴女は神か人か?」
思わず王が尋ねると、
「神でも人でもないわ」
と答えがありました。
王はこれこそ我が助けと確信しました。
これから、この人ならぬ神ならぬものに、事情を説明することなく、こちらの頼みを聞いてもらわなくてはなりません。
ここが腕の見せ所です。
これから先、何の功績も立てられなくともよい、王子さえ無事に戻ってくれば、と一生分の知恵と勇気を振り絞る覚悟で、王は乙女に話しかけました。
ゆうまF
2020/08/13 20:45:13
見逃していましたぁ
神でも人でも無いもの
王様の願いをかなえてもらえるのかなぁ
ドキドキだぁ
凛
2020/08/12 22:13:27
王様がんばれ~~~
チャイ
2020/08/12 21:27:55
可愛い王妃様らぶ~いったいどんな展開が待っているのかドキドキワクワク
名前が出てこないからこその効果というか、妄想が広がりまくりです(´∀`*)
ここまる
2020/08/12 20:23:05
きゃあああ!続きはまだなのか、もふさんは忙しいのねーと
思っていたら、なんと見逃していただけーーーーー
失礼しました〜なんと10日も立っている
新たな登場人物にワクワクですね
神でも人でもない・・・悪魔?亜人?ドキドキ・・・