7.~青花姫~
王様は、乙女に、貴方は何なのか、なんと呼べばいいのかと尋ねました。
もし聞いてもいいのなら、と付け加えることも忘れませんでした。
聞いてはいけないことを聞いて、相手を怒らせるということは、古いお話によく出てきます。
乙女は答えました。
「この国は、私たちの世界と、境を接しているの。
私たちの世界からこの世界に来るとき、この国に出やすいのよ。
私たちの世界は、まあ、異世界と考えてくれたらいいわ。
人ならぬものが住んでいて、寿命がとっても長いけど、考えることやすることは、ヒトとそう変わらないわ。
私のことは…この国の言葉では、名前をうまく発音できないと思うから、好きに呼んで構わないわ」
王様は聞きました。
「貴方は何が好きですか?」
「この森が好きだわ。青いお花も好きよ」
王は言いました。
「では、貴方を青花姫とお呼びすることにします」
重ねて王は言いました。
「今私は、困っていることがあります。
それをあなたに助けていただきたいのですが、事情を説明することはできないのです。
我が国と民を困らせること以外でしたら、できる範囲で最大限お望みをかなえてさしあげますので、どうかしばらく我が国にご滞在願えませんでしょうか?」
青花姫と呼ばれることになった乙女は、軽く笑って言いました。
「つまりこういうことかしら?
なんだかわからない困りごとを、どうにかして解決しろと?」
王も苦笑して言いました。
「只今は、そうとしか申し上げられないのです。
ご滞在なさるうちに、自然に問題が解決することを祈るしかありません」
言っている自分でも、可能性が高いとは思えませんでしたが、ともかく提案するしかありません。
「私はこの国の王です。
この森は王宮の裏庭です。
しばらく外部の者の立ち入りは禁じてありますが、貴方様はご自由にお入りください…禁じたとしても、意味はありそうにないですが…。
事情を知るものは、王妃と王女と、王子の乳兄弟の青年と私の、4人だけです。この4人に事情を尋ねることはなさらずに、どうかわが困りごとを解決していただきたい」
青花姫はあっさりと答えました。
「承りましょう」
王はあっけにとられました。
「本当ですか?」
「私は嘘は吐きません。
あなたの話しぶりは好もしいし、謎の困りごとにも解決法にも心惹かれます。
何でも言うことを聞く、と言わず、国民に迷惑がかからない範囲で最大限というのも、賢い姿勢だと思いました。
相手の正体もわからないのに、何でもするというのは愚かの極みですからね。
私決めましたわ。
貴方の望みを叶えて差し上げます」
青花姫は、私にできることなら、などという言葉も付け加えずに言い切りました。
何という自信でしょう。
王様はちょっぴりうらやましくなりました。
とはいえ、若い娘さん(に見える存在)に、果たして蛙にキスなどということができるのかは大きな疑問でした。
それでも、滞在するうちには何かのハプニングでそういうこともあるかもしれないと、王様の心の中の希望は、少しだけ大きくなりました。
ゆうまF
2020/08/13 21:10:52
私も8が新着で出て、あれって思って
見にいきました
新着としてお知らせ来てないような気もする
凛
2020/08/13 20:17:31
下書きで書いたものをアップするのに、日付の変更ができないんだね?
どうりで見つけられなかったわけだね
非公開はお知らせ来ないよ
アップした日には友達の新着として出てくるのかな
物語は、ちゃんとナンバリングしてくれてるからわかりやすい
ありがとう
ホクト
2020/08/13 04:50:27
盛り上がってきましたねぇ〜青花姫はやっぱりもふさんなのかな?
蛙の王子様とのちっす〜ドキドキワクワク
もふもふ0304
2020/08/12 23:19:21
8月2日にいったん非公開で書いておいたものを、ちょこちょこ修正しながら、公開に直して投稿してます。
なので日記が見つけにくいかも?
非公開で書いたら、友さんにお知らせはいかない?
2日に投稿したものの修正だから、これは今日の記事扱いにはならずに、お知らせはいかない?
どっちだろ?