小説『紫苑物語』
石川淳 著
『紫苑物語』を読みました。
新国立劇場で上演された
オペラの原作として本書を知り
購入してみました。
古代の日本を舞台に
都の歌の家に生まれながら
弓矢の修練にのめりこみ
地方へとくだった若者が
岩山に仏を彫り続ける男性と
得体のしれない可憐な美女に
出会うという話で。
おおまかに言ってしまえば
エキセントリックな主人公による
サスペンスなのだけれど
気品ただよう美しい文章により
まるで由緒ある伝承物語を
読んでいるかのような
錯覚にとらわれました。
購入した本が美文だと
それだけで得した気分になりますね。
弓の弦のごとく
ぴんと張りつめた雰囲気の中で
愛憎とか
善悪の範疇にとらわれない強靭な意思の力とか
人と妖との対峙とか
魔と仏との対峙とかが
ぐるぐると渦を巻き
欲望とアイデンティティを
突きつめんとする世界を
堪能しました。
もし本書を
映画化するとしたら
監督は成島出さん
配役は年齢設定を少し上げて
主人公は綾野剛さん
ヒロインは松本まりかさんが
いいかもなどと
妄想してみたのでした。
とり合絵図
2020/08/08 18:59:23
昔は、戦国時代とか明治維新ぐらいしか興味がなかったのですが、日本の古代も
なかなか面白く思うこの頃であります。謎が多くミステリアスですし。
(例によって、いずれ)読んでみたいと思います。なるほど~、成島出監督で映像化ですか。
たまねぎ
2020/08/08 18:14:16
おぉ、紫苑物語!私もこれはやはり原作を読むべきだ、と思って
ほしいものリストに入れたまま、まだ買ってません(笑)
映画化もいいですね。映画だともっといろんなことができると思うし、
オペラとはまた違った観点で描けるかもしれませんし。
私は今、なぜか漫画のテルマエ・ロマエを読んでます。気楽に読めておもしろいですw
スターダスト
2020/08/08 15:58:08
ユウさんのキャスティングで是非映画化してほしいな。
石川淳の小説は昔読んだ覚えがあるけれど
ユウさんのブログを読むまですっかり失念してしまっていました。
また読んでみようかな。