8.~王妃法~
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王様は青花姫を宮殿に連れ帰り、親交のあった異国の姫がしばらく滞在することになった、と皆に紹介しました。
そして事情を知る4人が揃ったところで、神ならぬ人ならぬ姫に問題解決をお願いすること、事情を説明してはいけないこと、それ以外ではできるだけ姫の希望をかなえるようにして欲しいことを説明しました。
青花姫はたいそう美しかったので、長年のわだかまりが解けていなかったら、王妃と王の間にひと悶着あったかもしれません。
乳兄弟の青年も、しばしうっとりと見とれてしまい、慌てて真顔に戻りました。
それを見た王女の顔が、不安そうに曇りました。
それを見た青花姫の顔は、面白そうに輝きました。
どの世界の乙女にも、コイバナというのは絶好のごちそうです。
青花姫は、宮殿内の、王女の部屋にほど近い客間に逗留することになりました。
ブルーの壁紙が涼しげな青の間です。
窓から見下ろす庭には、花々が咲き乱れています。
王は早速、青の間からよく見える場所に、青い花を植えさせました。
この難題を片付けるには相当の期間が必要だと思い、長逗留の間、せめて好きな花を眺めて快適に過ごしてほしいと思ったからです。
青花姫は、そんな気遣いを嬉しく思いました。
王妃と王女は蛙が苦手、王様は政務にお忙しいとなれば、森に連れ出す役を引き受けるのは一人しかいません。
乳兄弟の青年は、問題解決に貢献しようと、青い花の庭園に姫を連れ出して交流を図ったり、森への散歩に度々誘ったりしました。
青花姫の人ならぬ美しさと共に、二人の親密さが噂になる程に。
王子の側近という出世街道に乗っている貴族にしては、驕らず気さくな性格の彼です。
噂は大概、好意的なものでした。
美しい異国の姫を彼が娶るだとか、いや、請われて婿養子に行くのだとか、王子はその根回しに、異国に行っているのだとか様々な説が王宮内に飛び交いました。
その噂の中には、こっそり王妃が流させたものも混ざっていたのですが、そんなこととは知らない王女の憂鬱は深まって行きます。
王と王妃は、長い間お互いに抱えていた誤解を解こうと、せっせと対話を重ねました。
ある日のこと、王は、ずっと心の中で温めていた案を王妃に打ち明けます。
女性の王位、爵位、庶民にあっては家督や家業の継承権を認めるよう、法律を改正すること。
それに伴い、女子の高等教育を行う学校を設置すること。
男女の権利の平等という考えを国民に広く普及させることなどです。
王妃は驚きました。
子供の頃から自分の内側でくすぶっていた思いを見透かされたのでしょうか。
解決できる道があるとも思えず、心に抱え続けてきたもやもやを、王がさっと吹き払った気がしました。
「なぜ?」
と王妃が聞くと、王は答えました。
「ずっと昔から、私より君のほうが王様に向いてるって思ってきたからさ。
それを言うなら、先の妃もそうだったけれど。
決断力も自信も勇気も賢さも、みな私より優れている。
そんな君が、女性だというだけで王位継承権がないなんて馬鹿げているだろう」
不満を抱えていただけで何もしなかった自分とは違う、この人は本当に王なのだ、とその時王妃は実感しました。
賛否両論あり、実際に成立するのは次代になってからでしたが、この法律には、王の二人の王妃の名前が付けられました。
ゆうまF
2020/08/16 22:56:27
なんだか王様と王妃様の関係が和らいでいくのが
いいですね~(*'▽')
青姫様が宮殿に・・・色々気になる~
チャイ
2020/08/14 19:54:35
青い花の好きなお姫様がここに!
王女様の恋もどうなるのかな??王様と王妃様を側で見ているから、行動にうつすかな?
とある本の中で、政治家と政治屋・政治業者は別みたいに書いてあったのだけど、王様、ちゃんと政治家でかっこよく見える(´艸`*)
凛
2020/08/13 20:22:55
8はちゃんと8/13になってるねえ
思いは言葉にしないと伝わらない
王様と王妃を見てるとほんとそう思う
そして、自分より王妃の方が王様に向いてると言える王様
きちんと法律を作る王様
王様は自分が思ってるよりキングオブ王様だよね