ガラクタ煎兵衛かく語りき

若き煎兵衛の恋愛遍歴 外伝①

日記

人は人に魅かれる
結局はそういうことだと思うの


学問は冒険の類い
興味はただの一瞬かひと時に終わり
傾倒はマイクロ秒の貰い火で
崇拝は錯覚という慣習の名を借りた落とし子


殆どの生物界での生き死には日常茶飯事
大半の種でその半数が日毎に入れ替わっている
神という概念を得た種は幸いだね
DNAは素敵な道具だけど
それでどこまで何ができますの?


人は人に魅かれる
結局はそういうことだと思うから
僕はあなたの笑顔を見ていたいとその時思ったんだ



あなたの幸福を自分の心に焼き付けながら
やにわに僕は飛び出した
『WITH YOUR SMILING FACE』
それだけで僕は人生を全うできる
そんな思念を抱いた小樽駅のストーブの前



人は人に魅かれる
結局はそういうことだから
いまさらどうしようもありませんね


そういった近世を
かって贈ってくれた一枚の肖像画がずっと見届けてくれています
人は死んでも作品は遺ります
もはやどちらが先に逝っても何ら問題はありませぬ



DNAは道具にすぎません
ではどなたの道具?
ひょっとしてDNAの道具?
(あれ?)道具ってこんな字だったの?



それでも


それでも
人は人に魅かれる
もうそれだけでいい



来世で
もいっかい微笑んでくれたら
ハッピーでハッピーでハッピーで
次の転生待機時期を
軽やかにスルーできそう


結局上手に表現できなかった、、、