セカンド

落ちていくもの・・・

小説/詩

悲しみの重さに耐えきれず
また星が一つ海へと落ちた

水しぶき一つ立てず
何一つ音もたてずに

それはオブラートに幾重にも包まれて
青い色以外本当の姿がわからない

砂浜に私の涙が落ちた
陸地から海に向かって吹く風が冷たい

私の嗚咽は波の音が消し去った
そして涙は砂浜に消えていった

私の想いはこんなにもはっきりと
浮かび上がっているのに

一つ一つ全てが周りから消えていく
この夏が終わってしまうように

うるむ景色の中に
また一つ星が海へと落ちて行った

静かに
そして無言で





#日記広場:小説/詩

  • セカンド

    セカンド

    2020/09/27 01:52:28

    吉春 様

    海に何かを感じるのはそれなりの何かがあるのでしょう
    遠い昔から人間の本能の中の何かが・・・

    空とは違った感覚です

    青空は清々しさ、解放感、希望、夢・・・
    曇り空には重苦しさ、鬱陶しさ、儚さ、悲しさ・・・

    海はそれらを全てひっくるめた感がありますね
    人の心を包み込むような

    潮の香、波の音
    凪いでる海、怒っている海

    心の鏡のような気もします

    星の落ちるところはやはり海しかないのかもしれません

  • 吉春

    吉春

    2020/09/25 19:59:49

    セカンドさんこんばんは、
    落ちゆくものは水色であり、空の星屑に例えられ、耐えきれず心から零れ落ちたのですね。
    そんな夏の夕暮れが私にもありました。遠いふるさとの空の下でした。

    言葉の語源に関する話は、お城跡にて時折師匠が語られます。
    海は生みと読みを同じくするばかりでなく命の母でもあります。
    心ここ(胸)に在りて息をしながら生き、あふれ出でて母のもとへと帰っていった。
    まあ、たんなる屁理屈かもしれませんが、なにか感じて戴けたら幸いです。

  • セカンド

    セカンド

    2020/09/07 00:04:57

    粋生夢詩 様

    自分ではこんなに想っているのに伝わらない
    どうしたらいいのかわからない

    そんな感じです
    可能性が一つ一つはがれ去っていく・・・

    そんな時の海の景色と波の音
    空しいです

    でもそれは今の瞬間
    大切なのは次のステップかな

  • 粋生夢詩

    粋生夢詩

    2020/09/06 11:02:52

    潮騒に消えてしまうほどの泣き声。
    砂浜から海へ帰ってゆく涙。
    去りゆく夏の後姿を想ってでしょうか?
    それとも・・・。
    落ちた星と同じで悲しみは人知れず一人きりで
    消えてしまうものなのでしょうか・・・。