☆ ドリーム・スター ☆

ドリーム・スター

人生は 物語

誰もが 主人公

  恋

小説/詩



    

 肌に風の冷たさが感じるた
 落ち葉が目に付く夕暮れの街

 君と出会った偶然の冬の始まり
 初めて会って それなのに
 どこか懐かしい友人のように
 幼い頃のお互いの昔話をして

 僕には年の離れた妹のよう
 君には恋愛対象なんかじゃない
 それに僕はもう恋愛など
 望む気持ちも 無かった

 君の身の上話を聞いているうちに
 僕は いつの間にか泣いていた
 君の心は傷ついているんだね
 人を信じることさえ出来なく
 僕は 上手く慰める言葉もなく
 君の手を握りしめていた

 親子ぐらいに離れた君が
 信じた男に騙され傷ついていて
 僕に出来る事は何だろう?

 少しでも君の心を癒したい
 暗い影ある瞳の奥に
 僕の優しさで 光をあげたい

 それから 月日は過ぎて
 食事を二人したり映画館に行った
 涙もろい僕に ハンカチを差し出し
 すぐに泣いちゃうんだから
 クスクスとほほ笑む君の瞳は
 あの頃とは違う 光っていた

 いつしか僕は君に夢中になって
 しまっている自分に戸惑った
 親子程 離れた年齢
 こんな恋 いや愛は あるのかな?

 君が いつしか新しい恋をして
 僕の前から消えていく
 それで いいんだ それが自然だ
 何度も自分の心に言い聞かせた

 君の誕生日に お祝いをしようと
 僕が考えた君へのサプライズ
 二人は偶然に出会った冬の始まり
 君は瞳に大粒の涙をため
 ありがとう って 僕の手を
 握りしめて そっと目を閉じた

 僕は 時が止まったかのように
 君の髪を撫でながら そっと
 おでこに キスをした

 二人は 年の差を忘れ
 ただの男と女に なっていた
 僕は 君が愛おしくなり
 いつまでも君を離したくなくなり
 君の為なら と生きていた

 君の心の傷が癒されて
 もう大丈夫と感じながらも
 君との別れを忘れてはいなかった

 いつか君は 普通に恋をして
 その人と幸せに暮らすんだ
 僕は それを見守るように
 二人の恋は 終わると信じて

 僕と君では 年齢が離れている
 僕は今が幸せでいても
 将来の君の幸せは保証できない

 本当は こんな恋など
 いけない事だと 知っていながら
 人を信じられず傷ついていた君を
 ほっておけずに いた僕が
 一番 中途半端な 男かも

 でもね それでも恋は恋なんだ
 君に恋して 愛したことは
 嘘は どこにも無いんだ

 君が 優しさを忘れ
 僕を裏切り いつそ 捨ててくれ
 そしたら 僕は諦めがつくだろう
 
 それなのに君は とても素直で
 優しさは その瞳に光っている

 このまま時間が止まればいいと
 僕は自分が老けてしまわぬように
 今日も君の笑顔に負けてしまう