令和三年　おせち戦争

2020/12/12 18:34:43

娘と年末年始の過ごし方を話すうちに食い物の話になりまして、

ここ数年頼んでいた市販おせちに飽きたよなーと話すうち、

互いに三段の重箱におせちを作り、元旦に写メして勝負しようぜ、と決まりました。

敵は私のレパートリーや技術、嗜好と性格を熟知してるわけですが、

クックック、来春の俺を今の俺だと思うなよこの野郎、舐めんじゃないぞ。

現在ラインナップの選定中なんですよ。絶対に勝ってやる。土下座させる。

一の重が縁起物、二の重が肉魚と練り物、三の重に煮しめというのが例年の定番。

まず一の重で戦況を有利に進めよう。敵は俺が市販物を詰めるだけだと油断してる。

フフフフフククフフ、栗キントンも田作りも黒豆も作ってみようではないか。

市販の一の重の蜂蜜や水飴の多用には以前から疑問を抱いてたんです。

照りがないと寂しいけど、ちょっと甘すぎでベタベタするのは嫌だな。

自然派でいこう。砂糖を工夫して、上白糖、和三盆、黒糖など使い分けるか。

二の重、私がクリスマスの売れ残りテリーヌを贔屓してることも知られている。

カマボコ、伊達巻、煮豚は無いと寂しいから入れるけど、テリーヌを排除するか。

すると……中華系でいくか。エビチリ、オイスター風味のイカ、アワビうま煮とか。

三の重は密かに素材で差をつけてみよう。今年、上手に処理した銀杏に目覚めた。

例年クワイは入れないが、今年はトライしてみるか。やり方調べよう。

あと関東風をやめて白ダシで上品に仕上げ、関東者の味付けをバカにしてやろう。

……などなど画策し近所で材料が揃うか吟味。材料だけで1万円超えますね。

いやいや戦争とは総力戦だ。石川県土産で貰った金箔も使うぞ。

重箱の仕切りは……黒檀か紫檀の薄板で作り度肝を抜いてやろう。必ず勝つぞ。

ユースケ