ユウの想いごと

オオトモユウ

主に読書とか映画とかの感想です。

小説『愛がなんだ』

小説/詩

角田光代 著
『愛がなんだ』を読みました。

角田作品はこれまで
『八日目の蝉』を映画で
『紙の月』を新聞小説とドラマで
堪能したけれど
ちゃんと本を購入したのは初めてです。

OLの女性が
パーティーで知り合った男性に心奪われ
男性と少しでも一緒にいたいがために
もがき奮闘するという話で。

夢中。
とにかく夢中。
不器用な主人公が
意中の男性に嫌われんがために
職場での仕事や人づきあいをおざなりにし
一途とストーカーとの境界線の
グレーゾーンをひた走るこじらせぶりに
「うわぁ・・」とか
「いたたた・・」とか
「もうやめなよ・・」とかつぶやく一方で
「ああ、分かる~」とも思ってしまいました。
そう
人を好きになるのに
理由なんていらないんだ。
周りからとやかく言われようとも
恋とは盲目であって
想い人から誘われもしたら
それはもう
ひゃっほう と
スキップしたくもなるさ と。

主人公の涙ぐましい(?)行動とともに
周りの人々の恋愛観と比べて
尋常ならざる自身の状況に
揺れ動く主人公の心情が
刻々と綴られるのだけれど
淡々と語る文章のおかげで
悲観的な気分にはならずに済みました。

読み終えて
切なさと清々しさが
こみ上げてくるとともに
『愛がなんだ』というタイトルは
主人公の喉が張り裂けんばかりの
心の叫びなのね と得心し
恋は魔物ね・・ と
しみじみ感じたのでした。
 
映画化もされているようなので
そちらもいつかみてみたいです。
 

  • とり合絵図

    とり合絵図

    2021/01/03 19:25:39

    ん~、暴走する恋だとすれば、
    どのような落しどころしを設けるのか気に成りますね。
    PS.『紙の月』は宮沢りえ主演のヤツを観たのですが
      辛すぎて途中でやめてしまいました。『八日目の蝉』はいい映画ですね。

  • ௭りゅぬ௭

    ௭りゅぬ௭

    2021/01/03 00:41:10

    映画もとても話題になっていたので、どういう話かと思ったら
    そういうお話だったのですね!

    まさに「愛がなんだ!」(^罒^)

    『恋愛』という共同幻想を持てるのは人間だけで、
    その『共同幻想』で法律や貨幣経済など人間社会は成り立っているといっても過言でなく、
    その功罪とともに、色々と考えさせられますね……(๑´· ₃ ·̀๑)

    それはそうと、リモート新年会で飲んだくれて、
    新年のご挨拶遅れてごめんなさい (≧人≦;)
    改めて、新春来福ことよろでございますm(_ _)m

  • たまねぎ

    たまねぎ

    2021/01/02 17:41:51

    夢中になれるくらい、好きな人がいるというのは
    とってもうらやましいです。いいなぁ、その主人公(笑)
    冷静になって振り返ると、記憶から消したくなるようなバカな振る舞いも多いでしょうけど、
    そういうのも一つの経験として生きる糧になるなら、無駄じゃないはず・・・
    恋という魔物がとりついてくれるうちが楽しくていいですね~スキップしたいわ~♪♪♪

  • スターダスト

    スターダスト

    2021/01/02 13:51:21

    恋をしたら誰もが皆ストーカーなのだと
    思います。
    好きな人のことをもっと知りたい、誰よりも知りたい
    好きな人と一緒にいたい、誰よりも一緒にいたい
    寛容と嫉妬の狭間で
    独占欲だけが強くなっていく。
    恋とはそういうものだと思います。