ふわとろ

夜の自販機

日記

夜の自販機と言っても大人の自販機ではない

名詞の前に「夜の」とつくと意味深に聞こえる

夜の九時過ぎの人通りの途切れる小道にある自販機の前に人影を見かけた
不自然に見えたのはじっと立ち止まっているから
買うものを選んでいるのか購入するための小銭を確認しているのか
その後ろを通り過ぎたがそのどちらでもなかった

どうも購入した飲料をその場で飲み干しているようだ
空き缶を捨てるためにそうしているのだろうか
まだ寒いのによくその場に居続けようと思うものだと思った
飲みながら帰ればいいのにと思う

とは言え家で飲んだ空き缶を捨てるために外出時に持ち歩くのも面倒なのもたしかだろう
その人にとってはその場で飲み切る方がいいのだろう
しかしその場で飲み切るまで立ち止まっていなければならない微妙な束縛があると思われる