jun

17冊目、読了!

日記

「あふれでたのはやさしさだった」  寮   美千子 著


ニコタの友達から紹介され、読んでみた。
昨日本が届いたのだが、夕方から読み始めて一気にいってしまった。

以前「看守の流儀」という刑務所の話を読んだ感想を読んでいただいたので、同じ刑務所内の話だけど良い本があるのでということだった。一般の人は余程のきっかけがないと刑務所内を見学させてもらったり、関心を持ったりはしないと思う。たまたま、私が「更生保護女性会」というボランティアで川越刑務所や府中刑務所、その他更生施設などを見学できていたので、人より少し関心があったかもしれない。

寮さんは、レンガ造りの建物の美しさに惹かれて奈良刑務所に行ったのが第一のきっかけであった。「矯正展」という刑務所の一般公開に行った際に、展示された詩や俳句に心を鷲摑みされ、詩の朗読や書くことを通して貢献出来たらと作家という職業柄、思わず申し出てしまった。というのが「社会性涵養プログラム」にかかわる第二のきっかけであった。

あれから十か月後に依頼があり、申し出たものの実際かかわることが決定すると色々な苦悩があったようだ。しかし、腹をくくり教官らの協力を得ながらやってみると色々なことがわかってくる。犯罪を犯すまでのその子の背景、苦しみ、悩みなどを抱え込んでいる。それを隠そうとする鎧を「ことばと友情」でそっと開放できるよう手助けをする。決して強制ではなく自然に・・・それがプログラムの主な目的だった。

文中に掲載されている詩は、本当に切ない。涙が自然と出てしまうものもある。最初の頃から比べると回を追うごとに、その詩も心が解放されているのを感じる。そして、その内容から、犯罪に至った背景なども感じ取れる。少年犯罪は、安心していられる居場所(家庭)とまた、人に愛されること、自分をわかってもらえることで防げるという。愛もいろいろ形があるけれど、押し付けないそれも自然な愛情が。そうして心が解放された少年たちは、想像もできないくらいの優しさに満ち溢れてくる。

現在、お腹を痛めた我が子を虐待、或いは虐待死させるような親もいる。親になる心の準備もできていないうちに親になったり、子育ての悩みを聞いてくれる人もなく、見守ってあげる人もいない。自分から密室という家の中で心を閉鎖してしまうのだろう。
近隣の付き合いや家族親戚、何でも話せる友達など、煩わしいと思わず必要なんだと判って欲しい。見栄を張らずに付き合える友を作って欲しい。そうすれば少しでも、こどもたちへの被災&犯罪は防げると思う。

  • まほっこ

    まほっこ

    2021/05/07 21:03:27

    こんばんは☆彡
    こちらに失礼させて頂きます<(_ _)>

    お役に立てたようで、とても嬉しいです。
    こちらこそ、有難うございます<(_ _)>

    もしよろしければですが、
    2冊ご紹介させて頂いてもよろしいですか?

    お役に立てるかどうかは、わからないのですが、
    もしかしたらと思いまして。

    新潮社のサイトで試し読みができるようですので、
    URLを貼らせて頂きますね。

    「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治
    https://www.shinchosha.co.jp/book/610820/

    「反省させると犯罪者になります」岡本茂樹
    https://www.shinchosha.co.jp/book/610520/

    日記にコメントを下さいまして、
    有難うございました♪

    では、失礼させて頂きます<(_ _)>

  • jun

    jun

    2021/04/28 12:41:06

    まほっこさん、コメントありがとうございます。

    ちょっと一気に読みすぎたかなという気もしますが、引き込まれてしまったのも事実です。
    もう1回時間をかけて読んでもみたいと思っています。
    そして、更生保護の仲間たちにも紹介してみたいと考えております。

    まほっこさんは「本好きサークル」だったかな、入っていらっしゃるんですね。
    ちらっと見させていただきましたが、まずメンバーの多さにびっくりしました。
    今はデジタル本も多く、本屋さんで本を買う人も減っている世の中です。
    ちょっとほっとさせられました。

  • まほっこ

    まほっこ

    2021/04/28 12:19:11

    こんにちは。

    私には真似のできない、素晴らしい感想を書いて下さって、
    本当に、有難うございます<(_ _)>

    私の気持ちを、代弁して下さったようで、
    とても、心を打たれました。

    私も涙を流しながらこの本を読みましたが、
    この本をいっかけに、関連していそうな本を何冊か読んでみました。

    読み終えた時に、一気に涙があふれだすような本や、
    小説とは思えないリアルさを持つ、現代の社会問題をそのまま反映したような本もありました。

    今回読んでくださったこの本の延長線上で、何かをお探しになりたい時には、
    一言かけて頂けると嬉しいです。

    有難うございました。
    乱文にて、失礼致します。

    これからも、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>