19冊目、読了!
「源平の怨霊」 高田 崇史 著
平安時代から鎌倉時代の終りまでの、源氏と平氏の戦いを描いている。そして、陰陽師にあるように「怨霊」となる人物について探りながら、事実が明らかになる。
主人公は、もうすぐ退職する大学の助教授で民族学者。同大学の助教と卒業生でフリーの編集者の女性と3人で、源平合戦の謎を解明すべく、神社仏閣をめぐり、歴史を扱った多数の文献を参考に推理していく小説であった。
戦国の世でもその時代の記録は、結構あるのに驚く。どこの誰が戦って死んだとか、どこで暗殺されたとか名もない人は無理としても、名の知れた武士は系図もあり、その人の一生が記録されている。そして、大なり小なりの慰霊塔や慰霊碑などがつくられ祀られているのはすごいなと思う。「怨霊慰撫」どうか成仏、浄霊してくださいということであるが、伝統芸能の歌舞伎や能などもその一つらしい。
結局、源平合戦というよりは平平合戦であったと、それも平氏の一族でもある北条氏にしてやられた感が強い。源氏は出しに使われていただけであったという結末に終わる。系図にあるような血筋を大事にする時代であったから、池禅尼が頼朝を助けて欲しいと清盛に頼んだことが、発端で始まったことで繰り返される殺戮が何とも言えず哀しい。プロローグとエピローグが同じ話になっているのも面白い。
何とも武士の名前が実に覚えづらく、誰が親で子なのか、平氏なのか源氏なのか知識が浅いため、混乱してしまった。私には、やはり1回では理解するのは難しい気がした。
jun
2021/05/13 13:11:42
コチャさん、コメントありがとうございます。
歴史好きには面白いかと思います。
推理小説っぽいので、次はどうなのか?
どんな事実が分かるのだろうか?と興味津々になります。
コチャ
2021/05/13 11:51:12
これを読んでみたいと思います。
ありがとうございました。
jun
2021/05/05 13:02:33
大喜さん、コメントありがとうございます。
歴史は嫌いではありません。おおざっぱな流れだけでも覚えるのが容易でないのに
細かいところまでは、覚えられませんと言いたいのですが、
項目を並べて覚えるより、物語を読んだ方が、印象に残るかもしれませんね。
どちらかというと夫の家系は「藤」が付くので源氏系かなと思います。
大喜
2021/05/05 06:35:00
三重県は伊勢平氏発祥の地で、各地に平家の遺物が多く残されています
私も平氏側の人間?なので、どちらかというと源氏は苦手です
当然、成田さんには一度も参拝したことはありません(笑)
実はコロナ過の前に念願の皇居近くの「平将門の首塚」に行ってきました
>平安時代から鎌倉時代の終りまでの、源氏と平氏の戦いを描いている・・・神社仏閣をめぐり、歴史を扱った多数の文献を参考に推理していく小説であった・・・云々
私の興味を引くテーマで面白そうな本ですね
昔の人はまめに手紙や日記を書いてるので、名の知れた人物の足取りは克明にわかると聞きます
>池禅尼が頼朝を助けて欲しいと清盛に頼んだことが、発端・・・云々
あの時情けをかけた清盛のことはよく議論されたものですが、源氏といえども3代で実質上断絶
弟たちを誅殺してまでも開いた鎌倉幕府も北条氏に取って代わられるのだから、源氏も哀れ
源氏平氏どちらが勝者か?わからないのも歴史の奥深さだと面白く思っています