仮想劇場『すれちがい』

自作小説


うまくいかないとき
大切なひととも切ないほど行違うもの
たとえうまくいっていたとしても
縁の遠さを痛感させられるときもある
青い猫ともこの頃はすれ違いばかりで
声をかけた時にはもう目の前にいない

そんな子ウサギのようなか細き夜に
顔を合わせないようにしていたひとにあった
消したはずの衝動が無情にも甦る
手のひらの感触
唇の感触
汗の匂い
塞ごうとすればするほど
傷口の残り香はあふれ出すばかりだ








#日記広場:自作小説

  • まこ

    まこ

    2021/05/07 10:28:46

    日記広場で見つけ拝読いたしました
    スーッと
    ココロに入ってきました