セカンド

シンデレラ

小説/詩

23時を時計の針が差す

わたしの記憶が過去へ歩き出す

チックタック
静かな部屋に秒針の音が響く

ベッドに寝転び白い天井を見ながら
指でハートのマークを描く

目をつぶる
するとそこは海だ

熱くなった砂の上を素足で歩いている
あなと

波の音が聞こえる
潮の香りがする

どこまでも歩いていく
二人で

もしかして24時を過ぎるまで
こうして想っていれば願いはかなうのかしら

枕もとのスマホを握り
「もしもし、わたし」と呟いてみた

チックタック
チックタック

静かな部屋に時だけが動いている
波の音が聞こえる