【第2話】黄昏のソロキャン
（今回は、神田さん視線での物語です）
ねみゅい… 眠い…
わぉ 朝だ。
私はがばっと起き上がり、ベッドの棚にある目覚まし時計を見たの。
5：45…
あああ、寝坊だ。
慌てて私はベッドから滑り降りて、ハンガーにかかったシャツを手にして、そのまま洗面所に走って行ったんだよねぇ。
ヤバイヤバイ、今日は早番のバイトだ。
昨夜、天塚クンと一緒に過ごした余韻がまだ…寝ぼけた意識に蘇ってくる。
まだ熱い、彼の唇の体温が残ってる感じなんだ…。
鏡越しに、ちょっとだけ軽くウインクしたり、私何やってるんだろって顔真っ赤にしたり…
朝から何やってるんだろって。ほんとバカだよね。
私は、年下の天塚クンをリードするように振る舞ってたけど内心はドキドキだったんだよね… はぁ
鏡に向かってファンデを叩いて、ルージュを引くと、やっとそこに平常心の神田沙織が現れてきたのを確認。ちょっと安心。
6：30
「おはようございますっ！スミマセン ギリギリでっ！」
「神田さんっ！ メディア届いたから即仕分けしてくださいっ！」
バイトの先輩男子、佐々木さんがシュラバのレジ回りをめちゃ仕切ってる。
「はいっ今行きます！」
「神田さんレジっ！」
「はいっ！」
「神田さんパン来たよっ！」
「はいっ！サンドはこれだけですか？」
「次のサンドは9時の便でくるから、それだけでいいよっ！」
「おつかれさま… 今日は月曜日だから、めっちゃバタバタしたよなあ」
バックヤードで品ぞろえ終えた佐々木さんがちょっとだけ笑って話しかけてきた。
「はい… でも今朝は焦りました。寝坊しちゃったんで…」
頭かきながら、ボロボロのパイプ椅子に座って、へこってお辞儀してみたりさ。
私のバイト先は、とあるコンビニ。
メッチャ朝から忙しかったんだけど、天塚クンの顔を思い出してたら何だかにやけちゃってね。 佐々木さんは不審そうに見てたけど(笑)
バイトさんは5人くらいいて、それぞれポジション固めて(恵まれてるよなぁ… バイトなんて責任感ない人が多いってのが定説なのに）
「あ、神田さん。今週末、バイト連中の飲み会なんだけど、顔出してもらえる？」
佐々木さん、バックヤードで検品伝票整理しながら私にそう言ってきたんだ。
「ぇ？珍しいですね… でも週末は…私はキャンプ予定があるんですよね」
佐々木さんは、私より1個上。同じ大学の法学部の4年生。
彼はメガネをくいっと上げて、へぇっといった感じの表情になって、
「そうなんだ？あ、神田さんはキャンプ系女子だったよなあ…」
「はいごめんなさい…」
私は天塚クンと約束したんだ。
週末は天使坂に、二人で一緒に行くってね。
彼のために何を作ろうかって、そんなことばっかり考えてる自分が何だかアホだなって、でもそれってそんなに不快なことでもなくって。
「じゃあ仕方ないな… 俺、今週いっぱいでここのバイト終わりだからさ…」
ええ？マジですか？佐々木先輩…？
「就活本格化するしね。バイトはもう終わりだよ。神田さんにあとは任せたっ！」
あのね先輩。
なんでそんなに軽く言えるのよっ…
ぷぅ、と頬膨らませて、私が言ったんだ。
「わかりました行きますよっ」
あれ？
あれれ？
何で私、天塚クンとのキャンプがあるのに、佐々木先輩の誘いにおっけーしちゃったんだろ…
(続く
けーすけ
2021/06/30 22:51:08
バジルさん
コメありがとうです！
神田さんは案外人気があるんだよね。でも天塚クンの真っ直ぐさに惹かれちゃったってとこもまた…
バジル･
2021/06/30 22:19:50
(´艸｀*)神田さんって、凄く美人？モテモテ感にじみ出てるね・・・・・・
けーすけ
2021/06/16 23:45:39
sanngoさん
コメサンキュです。
さかのぼりはしばらくお待ちください そのほうが面白いっすよｗ
理佐
ハートの色は分からないけど、でも揺れる心は分かるんだよなあ。
きっと、正邪だけの限定ではわかんない。
それが、恋の 楽しさでもあるし、辛さでもあるんだよね うん…
綿結りさ
2021/06/16 22:46:19
君のハートは何色だろう
ちょっと妖しい悪魔の迷想色
ふわふわにゃんこのミルク色
ここからふたりの分岐点
sanngo
2021/06/13 01:51:12
神田さん、もてそうだもんね！
けーすけさんの話で女の子目線は珍しいのかしら・・
やっぱりさかのぼらなきゃ～～(^^♪