セカンド

紫陽花3

小説/詩

紫陽花が
霧雨の中に泣いている

青い涙が一つ地面に吸い込まれていく
雨音さえ聞こえない静寂の中

わたしの愛が一つ零れ落ちた
そして音もせずに地に消えて行った

霧雨は降り続ける
紫陽花が悲しく青く光っている

やさしく風が吹いた
わたしの頬を撫ぜた

ふと見ると
白い蝶が紫陽花に羽を休めていた

紫陽花を慰めるように
そっと声をかけているようだ

風が吹いた
瞬間蝶は舞った雨の中へと

また風が吹いた
それはわたしの心にそっと暖かくあたった

風の見えない言葉が
体を心を包み込んだ

瞬間わたしの頬に
最後の涙がこぼれた







#日記広場:小説/詩

  • セカンド

    セカンド

    2021/07/06 01:45:49

    奈柚 様

    紫陽花の色がいくつもあるように
    それを見る人が受ける感じ方もいくつもあるのでしょうね

    さらにその時の心情によって
    また違ったものを感じ取る・・・

    それでか?
    紫陽花シリーズも1から3まで増えちゃった^^

    近所であまりにたくさんの家に咲いているので
    ついつい書いてしまいました

    そのうちパート4が・・・来るかも


  • 奈柚

    奈柚

    2021/07/05 22:43:08

    紫陽花ってこの時期に咲くから雨が好きってイメージだったけど
    なるほど花が咲いたまま雨を受ける様は慈愛さえ感じるね