あなたに会えてよかった♪

けーすけ

なんでも思いついたことを書いてます^^

【第7話】黄昏のソロキャン

自作小説

「あ…覚えてるよ、久しぶりだね」

俺は目の前に立った、天真爛漫な女子を見て思い出した。
そう、楓…亡くなった俺の妹の友達、椎名沙也加だ。俺が高校生のころ、家に何度も遊びに来てたから覚えてる。
当時はロングの髪で、制服をルーズに着こなした感じの子で、真面目一筋だった楓とは全く違ったタイプだったな…

「覚えててくれて嬉しいです、先輩っ」
沙也加は俺の目の前に座ってる神田さんに気付かない様子でキャラキャラと笑ってる。
「てか…この大学に合格してたんだ。知らなかったよ…」
「ふふふ、びっくりしました?私これでも受験勉強めっちゃ頑張ったんですよ!」
俺はなんだか、神田さんの視線を意識してる。
なんだ?誤解とかされてない?

「えと…天塚クン、この方は…どなた?」
そう声かけられ、俺は恐る恐る神田さんの方を向いてみた。

戸惑ったように俺と沙也加へと交互に視線送る神田さんがそこにいたんんだ。

「あ、この子は俺の妹の友達で…椎名さんって言います」
そう紹介した時に、初めて沙也加は神田さんに気付いたみたいで、あっと小さく声に出してさ。
もうね… なんで最初から気付かないんだよ。

「あ、ごめんなさい先輩っ 二人きりで楽しい時間過ごしてたんですね?私ってお邪魔でしたか?」
目を丸くして、慌てて背筋伸ばしてそのあと最敬礼(なんでそんなことすんだよ?)する沙也加に、小さく笑って神田さん
「いいから掛けたら?天塚クンの隣空いてるよ?」

「いいんですか? じゃあ遠慮なく…」
俺の隣の椅子に座った沙也加は、ニコニコしながら俺の耳元に顔を寄せてきてさ

「先輩… 彼女さんですか?」

「か…か…かの…っ??」
「何泡食ってるんですか?」

「どうしたの天塚クン?顔真っ赤だよ?」
不思議そうに俺を見る神田さん。

不覚だわ…

午後の講義が始まるので、俺たちは席を立った。
何故か神田さんのと、沙也加のトレイを両手にもって返却口へと急ぐ俺。
返却口は、講義が始まる直前なのでかなり混んでて、俺は列の最後尾に並んだんだ。
なんとなーく、嫌な予感がして、待ってるはずの神田さんたちの方に視線飛ばしてみたら…

2人はなんだか俺の方を見ながら話ししてる。
なんかこういう空気ってやだなぁ…

戻ってきたら、沙也加が開口一番

「先輩っ 今、神田さんにキャンプ誘われましたっ!」
「え?ほんと?」
俺は条件反射のように神田さんの方を見ると

「うん。大学入学して、何か始めたいんですって言われたの。だからキャンプなんてどうかなって誘ったんだよ」
神田さんはちょっと視線逸らしつつそう答えてくれた。

「そりゃいいですけど…」
「何だか不服そうですね先輩?ひょっとして…神田さんと2人だけで行きたかったとか?」
からかうように俺を見据えて、へらへらと笑う沙也加。
笑いすぎだ。もともとよく笑う子だったけど…
「大丈夫よ。私もバイト先の先輩に声かけてみるから」
神田さんに間髪入れずレスを入れる沙也加だったんだけど、はっとした表情になり、流石にちょっと慌てて
「え、それって女子ですよね?」

神田さんは、意味不明の笑顔浮かべてさ…

「あー男子なんだっ! いけないなー でもちょっと楽しみかも」
無邪気に笑う沙也加の声が、一気に心の奥に、ぼわんぼわんと響く。

え?
マジ?

神田さんと2人だけのソロキャンを期待してる俺、でも神田さんはどうなんだろう?
初めて、一瞬だけど不安が胸をよぎったんだ。
(続く









  • バジル・

    バジル・

    2021/07/03 23:48:27

    おお~~なんか毛糸玉がぐちゃぐちゃもつれ掛けてきた。。。ほどくの大変!!って、感じに
    お話も、ぐちゃぐちゃに、なってきましたね~~~

    続きが、楽しみ~~~~(ΦωΦ)フフフ…

  • sanngo

    sanngo

    2021/06/28 01:38:24

    なんか集団ソロキャンプになりそう~!

    続き待ってま~す

  • 優co

    優co

    2021/06/27 21:53:30

    おー波乱万丈の展開(*´∇`*)
    憎めない天然の沙也加ちゃん、(タイプ的に神田さんニガテな私は、特に)期待大!!(´∀`*)ウフフ