セカンド

9月の雨の中

30代以上

キンモクセイの香りに
9月の雨が降る

秋の風が優しく頬をなで
薄紫の桔梗の花が静かに揺れている

その景色を一人たたずみ
ぼんやり見ている私がいる

あなたの香りがする
そしてあなたの面影が揺れる

想い出のページを閉じてしまっても
刻まれた記憶は消えることがない

私は再び歩き始める
この雨の中

澄んだ花の香りと
冷たくそよぐ風を受けながら

独り
にじむ景色の中を