セカンド

9月の雨の中

小説/詩

キンモクセイの香りに
9月の雨が降る

秋の風が優しく頬をなで
薄紫の桔梗の花が静かに揺れている

その景色を一人たたずみ
ぼんやり見ている私がいる

あなたの香りがする
そしてあなたの面影が揺れる

想い出のページを閉じてしまっても
刻まれた記憶は消えることがない

私は再び歩き始める
この雨の中

澄んだ花の香りと
冷たくそよぐ風を受けながら

独り
にじむ景色の中を


  • セカンド

    セカンド

    2021/09/17 22:05:46

    ☽碧 様

    春に芽生え夏に栄え
    冬に枯れ去っていく

    秋はその夏と冬の間

    そうですね
    実らせ、そして落としていく

    人の心もそんな部分を持っているのかも
    変わりゆく景色に自分を重ねるのでしょう

    今は一人でも
    また春が来る

    そんな期待を心の奥に持ちながら・・・

  • ☽碧

    ☽碧

    2021/09/17 13:22:36

    想い出はいつも心の中にありますね
    秋は色んなものを実らせ、色んなものを落としていく
    満たされていく想いとは裏腹に
    過ぎてゆく時を感じる季節でもありますね・・・。