麒麟

麒麟

♪♪♪ ...の庵 ♪♪♪

ぽー

小説/詩

“君”と嘯き“想う”を偽る

逆上がりして出来た世界は
 降りる為の梯子が無い

感じたままに 思ったままに
出来る事 やれる事
しているつもり、でもなんだか足りないような

埋まらないのは“何故?”

走る、走る、駆け走る、追い付け、追い越せ
 みるみる内に景色が背後に下がり
  視えるのは余念の無い
   脈絡という足跡

“信じた”思い“貫く”嘘
唇噛んでも もう遅い
 時計なら弄れるさ
 だけど時間は無理だよ
出来る事を本当にしたのか
 解らないのは其の為
あの時抱き寄せて、ぎゅっと
捕まえて
あんなのな 見ない方がいいんだ
 だってそうしないと
捕まえた其れは逃げてしまうから
 本当の“心”隠したまま
 本当の“気持ち”臆したまま
それでも 只 自然と動けていたなら
 今 こんなのさ こんなじゃないはず

 “感情”が邪魔をして
 君の“気持ち”
 僕の“想い”
測りあぐねて居た
 そして釣り合うものが見当たらなくて
  僕は手を伸ばせなかったんだ

 嘯くには早いとかさ
 そんなの言い訳で
 逸る想いを握りつぶした
 この指を一つ一つ
 剥がしたら
 “続いていた”モノが
 消えていく、から、何時まで経っても
  握りしめたまま
 君の“気持ち”
 僕の“想い”
 照らし合わせているのに
 握りつぶしたまま

 迸るのは 迷う術に囚われた
  空虚なる世界
 何処に立てば何処にもたれば
  いいのかさえも分からない程に
 この“思考”は正常という時と
 “空白”という時に
 留まり続けている