重賞展望
【富士S】去年は前2頭が飛ばして前傾ラップになったものの基本はミドル~スローで流れる傾向の強いレース。同コースの安田記念が前傾ラップの高速決着で千四的な適性を求められるレースとすれば富士Sは後傾ラップの低速決着で千八的な適性が求められるようなイメージ。血統もストームキャットやヴァイスリージェント系が目立つ安田記念と比較するとディープやハーツ、キンカメといった王道血統が明らかに目立つ。この辺りからも末脚性能が求められることがわかる。
まずは初マイルのワグネリアンとダノンザキッドの扱いが難しいところ。ワグネリアンは斬れるイメージがあるかもしれんけど、上がり最速を記録したのは弥生賞が最後で古馬になって好走した大阪杯とジャパンCは時計のかかる馬場でレースの上がりは35秒以上かかったレース。このことからも年齢を重ねてパワー型にシフトしたと考えるべきで距離短縮、特に速い上がりが求められやすいこのレースに向くイメージは湧かへんのが正直なところ。ダノンザキッドはキャリアが少ないからちょっと判断が難しい。馬体的には筋肉量は豊富やけど脚や胴は充分な長さがあって中距離馬的。ただ血統からはミッキーブリランテの半弟でジャスタウェイ産駒ならマイルは向きそう。かかり気味に追走する気性からも向く可能性はある。ハイペースや高速決着やとスピードや追走力が不安、ギアチェンジの上手いタイプやないからドスローからの3F瞬発力戦は不向きやけどこのレースなら面白さはあると思う。ソングラインは千四や締まったペースの千六で好走してる馬でそこまで斬れるわけやないからどちらかというと安田記念的なタイプ。ペースは流れて欲しいはず。ロータスランドはロベルトのクロスがある血統通りパワー型マイラー。前走も外有利な馬場を1頭だけ内を走って好走したのもそのあたりが活きた形。府中マイルで後傾やとこれも斬れ負けしそう。面白そうなのはザダル。戦績通り府中千八ベストの馬でこのレースならそれが向く可能性はあるなと。それこそ後傾ラップになった今年の安田記念で府中千八ベストのダノンキングリーが勝ったようなイメージ。あとはバスラットレオン。これは先行してパワーで粘り込むタイプやから急坂コースの中山がベスト。ただ今回先行馬はそこそこ揃ったけど逃げ馬はこの馬くらいで恵まれる可能性はあるかなと。