もえーん

功罪

日記

本年の5月の「アメイジンググレイス」の公開に続き、11月からは「リスペクト」が公開されました。本年は、アレサ・フランクリンの年です。他には「サマー・オブ・ソウル」や、昨年になりますが「マ・レイニーのブラックボトム」も公開されて、スクリーンに黒人音楽が目白押し。黒人音楽とは括れないけれど、昨年はニューポート・ジャズフェスティバルのドキュメンタリー「真夏の夜のジャズ」の4K版も公開されたし(アニタ・オデイがお洒落すぎて困る)、全般的に音楽映画がたくさん公開される、ここ最近です。サマー・オブ・ソウルは見逃してしまったのですが、今月末に近所の単館上映の映画館で公開されることになったので、見に行きたいなと思います。

さて。

2,3日前に、毎度の最寄り駅前のバーでチビチビとお酒を飲みながら、マスターと「リスペクト」の話題になったのですが、見に行きたいけど近所でレイトショーをやってないかなと調べると、すぐ近くのシネコンに行き当たりました。シアター数が13と堂々のシネコンではあるのですが、席数が多いいかにもシネコンなシアターは4つほどしかなく、そのかわりにとても小さなシアターが3つくらいある。そして上映される映画は、もちろん集客の望めるメジャーな作品がメインではあるものの、一方で小型シアターでは、シネコンのイメージには似つかわしくない比較的マイナーな映画がちょこちょこ上映されています。

映画好きの中では、いまだシネコンは悪という図式がまかり通っているのかもしれません。確かに、シネコンが従来型の映画館を駆逐してしまった側面はあり、そして上映される映画の幅を狭めてしまっている、という事実も、あるにはあると思います。
でも、結局従来のロードショー形式での上映では、どう考えても上映期間も後半になれば収入がランニングコストを割り込むことになり、その非効率をシネコンは大シアターから小シアターへと順次上映シアターをスライドさせることで解消し、映画の上映機会を最大化しているとも言えます。単館上映のミニシアターなどはシネコンとはコンセプトが違うので、そもそも競合ではない。わたしは、シネコンがそんなに悪いとは思っていませんけどね。むしろ、シネコンの深夜にまでおよぶレイトショーのおかげで、ずいぶんたくさんの映画の視聴機会をもらったな、なんて思っています。

そして、件の近所のシネコンですが、実際かなり頑張っていると思います。
さすがにスクリーンが13もあると、大→小という大型メジャー作品のスライド上映だけでスクリーンが埋まるわけではない。小型のスクリーンでは、先述の通り意外とマイナーな映画を上映している。どういう人が上映計画を立てているのか知りませんが、効率一辺倒ではない「映画館としての気概」みたいなものだって、ちゃんと持ち合わせてるのではないかなと、ふと思いながらいつも足を運んでいます。
もちろんそういう映画をシネコンで流してしまうと、頑張って踏みとどまっている近隣のミニシアターに打撃を与えてしまうという可能性はあります。でも、そこも考え方。もともとミニシアターに当たり前のように出向く人など少数派。でも、分かる奴が見ればいいという芸術家スタンスが文化を衰退させていくこともあるわけで、いままでミニシアターに目を向けていなかった人たちが、シネコンでそういった映画の存在を認識する中で、たとえ1%でもそんな映画を見てみようという人が現れるのであれば、それはそれでひとつの映画文化掲揚のための在り様じゃないかなとも思います。
流行と同じです。流行り廃りでチャラチャラしやがってという批判は、いつの時代のどんなものにも向けられるわけですが、しかしその流行りに乗った人のほんのわずかでも、本当にそのコンテンツにハマり、そのすそ野を広げていくことになる人は出てくるものです。それはそれで、大切なこと。

物事には功罪がどうしたってあるわけで、何かの功が何かの罪を補いあいながら、いい意味で一蓮托生となって回っていけばいいなと思います。

何と実のない日記(^ω^)
アレサフランクリンを聞きながら、つまらんことを書いてしまった。

明日も明後日も朝から仕事なので、早く寝ないとならないけど、なんかやる気にならなかったり指を怪我したりで一か月くらい楽器に触っていないので、ちょっと弾きたいなとか思いつつ、昨晩の(いつもの)寝不足と体調不良で、もう寝たい気もしつつ、どうしても見たい映画があったりしつつ、どうしよう。とりあえず、ちょっとだけお酒でも飲むかww



追伸
先ほども出てきた、いつも私の行く近所のバーですが、雑誌の取材を受けたそうです。私も毎号購入しているブルース&ソウルレコーズという雑誌の中に、ブルースやソウルなど黒人音楽を積極的に流す飲食店を紹介するコーナーがあるのですが、そのコーナー用の取材だったようです。なにしろマイナーな雑誌ですが、隔月間誌として頑張り、早20年以上。ほんとに凄いなーと思います。
ちなみに取材の際に、取材に来た編集者にマスターが「ブルース&ソウルレコーズを毎号買っているお客さんもいますよ(私のことw)。付録がCDの時は、お店に持ってきてくれて、一緒に聞いてます」と伝えたら、めっちゃ喜んでいたそうですw