46冊目、読了!
「秘密」 東野 圭吾 著
妻と小学6年生の娘がスキーバスで事故に合い、妻が死亡。娘は体に妻が覆いかぶさり、怪我はなかったが意識不明。妻の葬儀の夜、娘が意識を取り戻したが、なんとその体には妻、直子が宿っていた。とアニメのような話であった。
主人公杉田平介は、見かけは娘でも妻がいるということで、悲しいような嬉しいような複雑な環境で生活するようになる。他人には話せることではないので、夫婦の秘密であった。娘の体を借り、若さを取り戻したような妻、学校に主婦にといきいきと頑張る。子供のうちはともかく大学生にもなると、平介は焼きもちを焼くようになり夫婦関係がうまくいかなくなる。そこで、平介は妻、直子ではなく、焼きもちを焼かないためにも「娘・藻奈美」として一緒に生活するよう決意する。
加害者のバスの運転手の家庭やその別れた元妻の家庭などを描き、真実をゆっくりであるが解いていく。娘の結婚相手は、なんとなく想像がついて当たってしまった。結局、直子は死んだ形になってしまったが、娘の中に生きているのだろうか?本当に消えてしまったのか?肉体が死んで5年間も生きていられ、娘の体を借りて若返り、勉強もし二度目の人生を楽しめた。こんなことはありえないと解っっていても、死にたくもないのに死んでしまったのは不幸だが、青春時代を生きられたのはラッキーだったと思う。
TVドラマがあったらしいが、残念なことに全然知らなかった。