南の魔女クレア48
御父様がもっと早く知っていれば金持ちの養子を取らせて税金を払わせて其の領土を開拓したかったと言いました。クレアは国が此の領土を取り上げようとしていたと話すとお父様は国が相手だと難しいなと言って悔しがりました。クレアがボルアートが貴重な壺を割った話をして其の壺は昔の国王が其処の領主が病気になった時に北の魔女が作った「魔法の回復薬」を其の壺に入れて贈ってくれた物で其の事が先祖の日誌に書いてあった事を言ってあれがを売ったら高く売れたのにと言うと早速ピェールお兄様がイドエルに其の話を伝えた所、イドエルと例の歴史の先生他数名の人達が義姉の所に行って壺のかけらと其の先祖の日誌を読んで譲って欲しいと言って来たそうです。義姉はクレアの許可が無いと何も売れないと断ったそうで其れ以外にも館中を調べて行ってクレアが誰にも触らせるなと言った木の箱に入った椅子も見て言って其れがシドリアル国王が来た時に特注で作らせた椅子で其の後は木の箱に仕舞っておいた物で其れも先祖の日誌に書いてある事を言うと其れも譲って欲しいと言って来たとクレアに義姉から手紙が来ました。クレアは壺は義姉が私が交渉をした時の事を思い出して義姉の裁量で判断して下さい。後は義姉の子供が成人してから彼の判断に任せると言うのはどうかと提案をして返事を出しました。義姉から返事が来てあの壺もかなりの高額で売れた事と何と其の時の資料もダルシャが資料のいっぱいある引き出しを教えてくれてみんなで探して出てきて其の手紙には一緒について来た瀬戸物のコップに印が付いていて3時間おきに飲ます事と書いてあって更に瀬戸物の筋が付いたカップがもともと壺が入れてあった棚の奥に残っていたので其れも手紙も売れたそうです。あの壺のかけらはキリアマリ軍が破壊した城の中からかけらがいっぱい出てきて何に使った壺なのか解らなかったそうで此れで謎が解けたととても喜んでいたそうです。更にダルニに此の館は貴重なので警備を頼んで行ったのでダルニが時々訪ねて様子を見に来る事になったそうです。
其の頃にはクレアも都会の生活に慣れて時々トウニにフリージャと一緒にモニークの店に買い物にお菓子屋によってお菓子を買ったりトウニの街を楽しむ余裕が出来てきました。
フリージャが素敵な場所に案内すると言ってとてもきれいな通りを案内してくれました。
ピェールお兄様と商店会のパーティの帰りに二人で散歩をして帰る道で自分は子爵の女子が通う学校で背が高いために虐められていた事、誰も友達がいなくて殆ど一人で過ごしていた事。16歳の社交界デビューのパーティの時も背が高い為に誰も相手がいなくて困っていた時にイドエルにピェールお兄様を紹介されてダンスの相手をしてくれた事。其の時からピェールお兄様に恋をしていた事。だけどピェールお兄様は女性たちに人気があった為に自分はパーティで見かけても声もかけらずに隅の方で目立たなくしていた事。
もう自分の事は忘れられたと思っていた事などを話してくれました。
クレアは其の美しい紅葉した木々の中を歩きながら今が一番幸せと言うフリージャの言葉を聞きながら自分は何時幸せと感じた時が在ったかなぁと考えてみました。
何故か子供の頃の庭の手入れをしている時の事が思い出され来るのでした。
ボルアートとの結婚生活が幸せだったと思えないのでした。あの3階から出ては行けないと言った時の顔が思い出されてゾッとした気持ちが拭い去れないのです。
寧ろボルアートが戦地に行った後に館の周りを探索した時の方が山奥だと言う事は解ってもまだ3階よりマシだと思ったのを覚えていました。
唐突にフリージャが此れは内緒だけどクレアに縁談の話が持ち上がっている事を言いました。
まだ殆ど決まってはいないのだけどピェールお兄様とお父様と話しているのを偶然聞いていたと言うのです。
相手は警邏隊の人でと言った時にクレアはダルニの事かと思ってギクッとしたのでしたがダルニはとっくに結婚していて相手の方はあの地方の気候が合わなかったらしく風邪を拗らせて結核になってトウニ地方よりのバスタ地方にあるサナトリウムに入っていると言うのをボルアートに聞い野を思い出してほっとしました。
相手の人はクレアより2歳年下で仕事が何をやっても務まらずコネで警邏隊に入って親が伯爵なので警邏隊隊長になったのですが警邏隊の規則で最初の3年は地方回りをしなければならないので息子が心配なのでしっかりしている女性を探していた時にクレアの噂を聞いてそんな人なら息子を守ってくれるだろうと言うので話が来たそうです。
クレアは今度は子供御守をさせようと言うのかと伯爵だの金持ちは自分達は何でもできると思っていると深いため息を一つ吐きました。
何でも此の話がうまく云ったらお父様を貴族議員に推薦をしてくれるとの事だそうです。
クレアは「でも貴族議員になるには推薦人が3人とかなりのお金が必要だと聞いたわ」と言うとお金はともかく他に2名探さなければならないのでお父様がピェールお兄様にイドエルに何とか頼めないかと話しているのを隣の部屋で聞いていたと言うのです。
クレアはイドエルはかなりの交換条件を出して来るだろうと思いました。
覚悟はしていたとはいえつくづく自分は物の様にやり取りされるのだなぁと自分と隣で幸せいっぱいのフリージャのうきうきした姿をみて複雑な気持ちでした。
ピェールお兄様と結婚するまで学校で一人ぼっちで孤独で過ごして其の後も家に殆ど自ら籠っていて6度も縁談を相手側から本人を見ると断れて自分の親にお荷物の様に言われて親戚の集まりでも自分のいない所で自分をどうしようかと言う事を言われているのを聞こえて来て辛い何年間を過ごしてやっと幸せを掴んだフリージャの人生と自分はどっちが幸せなのかなぁと考えても仕方が考えて何故か自分が領主になってあの領土を守るために必死になって頑張っていた自分はどうだったのかとどうしてあんな毎日が辛くて苦しくて精神的にも肉体的にもギリギリで頑張っていた時の事が出て来るのが不思議でした。
二度とあんな思いはしたくないと思う事は確かなのだとクレアは自分に言い聞かせるのですが義姉からの手紙を読んだと時に直ぐに行けるのなら言ってイドエルとの値段の交渉を自分がしたいと思った気持ちがあった事は事実なのです。此れは何なのかそして義姉が自分を頼って手紙をよこしてくれた事も嬉しかったのです。此れは何なのかお父様が決めた人と結婚する事に何の不満も無く当たり前の事で周りもみんなそうしているし其れが当たり前なのに何故心の中にむなしさを感じるのだろう?と思いました。
此の縁談は貴族院への推薦者が3人集まってから進めるという事で相手側に返事をしたようでダルニの御父様がダルニにクレアの縁談と貴族議員への推薦をダルニに相談してきたようでダルニから恩着せがましく自分の返事一つで自分の父親が君のお父さんを貴族議員に推薦できるのだがと書いた手紙が来ましたがクレアは其れには触れないであの少年の妹がどうなったか心配だからダルシャに様子を見に行って欲しいと伝えて欲しいと返事を書きました。
義姉から叔母に引き取られていたが手足が骨が見える程痩せて体もあざだらけだったのでこっちも人手不足だったので下働きとして引き取ったと手紙が来ました。