のたもた

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ブログふっかーつ!!
そんな訳で、書きたい事を書きます。

それだけです。

南の魔女クレア56

自作小説

クレアの体が回復してもクレアの精神状態は不安定だった。夜中にうなされて赤いオオカミに揺り動かされて目を覚ます事もたびたびだった。
クレアは正直にバロルドさんの奥さんにバロルドさんも含めて村長さんが来ても自分に危害を加えないと解っていても胸が苦しくなるのを感じると本人達の前で普通の態度を取ろうと努力しても緊張をしているのかいなくなるとどっと疲れると言う事を打ち明けた。

そしてもうじき春になって修道院に戻って農場を切り盛りする自信が無いとぽろぽろ涙を流して其の不安をぽつりぽつりと話した。
自分に何が起きたのかは気を失っていたので殆ど記憶にないが其れでも次第に痛みは回復薬で亡くなったが最初に感じた下半身に起きていた痛みの記憶は折れた肋骨の痛みよりも頭の激痛よりも記憶に残っていて更に目が覚めから最初の頃に両腕に遭った人が強く抑えていた手指の紫になっていた後も足が骨が外れてねじれていたのを関節をはめて入れたと言う所の違和感も今は痛みも無いが時々歩いて感じる右足と左足の違いが解ると言って其の事でも何が起きたかを想像すると恐怖を胸が辛くなると言った。


長い事伝い歩きをしていたので右手と左手の太さが違ってしまった。やはり足が外れていた為に関節を入れたと言う右足を自然とかばっているのか未だに右足と左足が歩くと違う事が解る事で胸が苦しくなるのでした。

此のままだと春の作付けを仕切る自信が無いしみんなの前に行く自信も無いとクレアは言いました。
バロルドさんの奥さんとバロルドさんと村長さんが相談して修道院の人達と働く予定の村人とも話し合って当面はクレア無しでやって行こうと言う事になりました。


其の頃村でもまた事件が起きました。
二人の12歳の女の子が突然いなくなって魔女の森に面した道は通るなと言われているはずなので其処をよけて遠回りをしてパン屋まで二人で買い物に帰りに忽然と消えてしまったのでした。
パン屋では二人が来て大量のパンを買って仲良く二人で其々どっちがどっちを持つかと言いながら其々の大きな籠にパンを別けて仲良く出て行ったまで無事でした。
だが今は春の作付けの前で村に大勢の人の目があって冬に傷んだ家の修理をしていた人などは屋根の上に居たので二人が通ったら気が付くはずなのに其処を通ったのを見てないと言いました。


残りはどうもあの魔女の森に面した道を通ったとしか考えられないが魔女の森はやはり近づいて斧で切り付けてもがんとして受けで寧ろ斧を木の弾力で弾き飛ばしたのでした。
村人総出に近い形の捜索でも二人の少女は見つからなかったのでした。
クレアは何日も此のままバロルドさんのお世話になっている訳も行かないし其れかと言って修道院に帰る気にもなれないし館からは帰って来るなと言う手紙が来て此れからどうしたら良いかと悩みを相談しました。

するとバロルドさんから「実は・・。」とかなり以前から赤いオオカミが助けた君の話を聞いてぜひ自分の助手にしたいと言った人が居るのだがと言いにくそうに話し始めた。


昔此の国で北の魔女と南の魔女との勢力争いがあって北の魔女が支援するシドリアル国と南の魔女が支援する其れ以外の国との争いだったがほとんどの国がシドリアル国に付くと南の魔女は今のシドリアル国を出ると言う事になりました。

其処で南の魔女はシドリアル国をでたモゾリアナ国に引っ越したのだが其処がコウアニ地方の南端の渓谷が地殻変動で割れたと言われている渓谷の割れ目の両国の間にある橋を渡ってすぐの所に南の魔女が住んでいて其の魔女が助手に迎えたいと言って来ていたと言いました。
相手は女の叔母さん一人だが何せ魔女なので君にどう言ったらよいかと迷っていたのだがとバロルドさんは言いました。
クレアはしばらく考えさせて欲しいと言いました。

今の自分に体を動かす仕事に耐えられるか自信が無いと自分の体が嫌だと生きている事が嫌だと言ってバロルドさんの奥さんが心配して来るとただただぽろぽろと涙を流して泣くのでした。

バロルドさんや村長さんが来るとクレアは普通に対応している様に見えましたが一人なって寝るとうなされて赤いオオカミに起こされて飛び起きて此処はどこかと見渡したり外の景色のどこかをじっと長い事見て居たり一日食事を取らないでじっとどこかを見て居たりと言う日々が続きました。
春になって村人と一人残った修道院の人と村長さんも時々心配して農場を見に行ってくれて其の様子をクレアに報告をしに来れました。
みんなが頑張ってくれている事は解ります。クレアもいつまでもこうして居られない事は解ります。心で解っていても体がついて行かないと言うか体が健康に戻った事は解ります。ですが心が付いて行かないと言うか、どう自分を表現して良いかも解らず唯涙がぽろぽろと出て来るのでした。

それでもクレアがぽつんと其の魔女の叔母さんに興味があると言う様な事をバロルドさんに言うとパン屋のアクレと言う少年が二日に一般パンを4つと牛乳を1本届けていると言うので其の少年に南の魔女の叔母さんの印象を聞く事にしました。
アクレはあっけなく普通の叔母さんだと言います。おっかない事も無く優しい事も無いそうで此れと言った特徴もないし美人でもなく不美人でもなくきつい顔をしてなければ優しい顔もしてないとクレアの質問に答えました。

兎に角あってみるだけと言う事でバロルドさんに案内されて其の魔女の家に修道院を通り過ぎて長い坂道を上がって渓谷の橋の所に付くと足がすくむほど高い渓谷が本当にぱっくりと割れたようになっていて去年の秋に収穫した野菜を乗せて此処を荷馬車で通った時は感じなかった恐怖を感じながら橋を渡るとうっそうと茂った高い森があってバロルドさんが一本の蔓とひっぱると其の森の一部が開いて階段が出てきて其処を上がると見上げても上が見えないような大きな木にドアが付いていて其処を開けると普通の家の村の家の中の様な雰囲気です。
特におどろおどろしい魔女の雰囲気も無く唯の農家の家の様でした。

一人の叔母さんが出てきて「おや、其の子かい?私が想像していたのとずいぶん違うね」と言うと後ろから何時の間にか付いてきていた赤いオオカミを見ると「本当に此の子はオオカミに気に入れられたようだね。」と言って其のオオカミの頭を撫でました。オオカミは得意そうにしっぽを振って自分の気に入った場所に座るとじっとしてます。
クレアは虚ろな目で其れを見てました。

すると其の魔女の叔母さんは木の椅子をさして其処にお座りと言うと部屋を出て行って手鏡を持ってくるとクレアの顔を手鏡を通して見てました。

しばらくすると其の魔女の叔母さんが「そうかい、そうかい、辛い思いをしたんだね。しばらく此処に居た方が良い。」と言うと「な~に、ゆっくり仕事を覚えるが良いよ。こういう時はゆっくりと時間をかけて行くもんさ」と言うとクレアにこっちにくるようにと言うと一つの部屋につれて行って「お前は此の部屋を使うと良い」と言いました。クレアは其の可愛い部屋をすっかり気に入りました。

最初は掃除からゆっくり休み休みやると良いよとクレアに掃除用具の置いてある場所を教えると私は忙しいからと言うとどこかに行ってしまいました。
クレアは与えられた服に着替えて部屋を見渡しました。
とりあえず掃除からする事にしました。