南の魔女クレア62
クレアがパンにジャムを付けて朝食をしていると一羽のフクロウがやってきました。
そしてフクロウはシンバはもう戻って来ない魔石取りに失敗して死んでしまった。
今のままだと魔石の力が弱くなって「南の魔女」はいなくなるので今度はお前が挑戦をしてみてはどうか?と聞いてきました。
何でも一つの魔石を取ると物によっては100年近く其の魔石の力が続いて強い魔力を持った女を魔女にしてくれるのだそうです。
100年以上も続きますので其れを何人者の魔女が受け継いできたという事です。
ですがいよいよ其の力が弱まってシンバの前の魔女はシンバに魔石を取って来る様にと言って死んだそうです。シンバは其れを約束したが決心がつかなくていよいよ魔石の力が弱くなってキリアマリ国とシドリアル国の間の国境が簡単に破られる状態になって魔石を取りに行ったが失敗をして命を落としてしまった。新しい魔石が無いと此処も何れ滅んでしまうだろうと其のフクロウは言うと決意が固まったらどうすべきかを教えると言うと飛んで行ってしまいました。
クレアは何を言っているのか理解が出来ませんでした。
何故なら魔石は「魔女の回復薬」を作る所の傍に置いてあってまだ十分に光を放っています。
シンバが命を落とすような危険な行為をして魔石を取りに行くのなら自分は魔女を止めて村に帰ろうとも考え始めてました。
そうしたらきっとマドレは困るだろうなぁ・・・なんて其れを伝えようかと悩み始めました。
クレアは「南の魔女」等になるつもりは無く此処に来ました。男の人とあわないで知った人のいない所だったからです。
其れだけの気持ちで今まで過ごしてきました。
其れでも「南の魔女」になる気にはとてもなれません。更にどんな危険な行為をするのかも解りません。とてもシンバが死んでしまったような危険な事を自分がする気にはなれませんでした。
でももう少ししたら魔石の力が無くなって漢方薬屋さんのマドレさんに「魔女の回復薬」を持って来れなくなることを伝えないといけないのです。
何て言ったらよいかをクレアは考えてお酒を売っている店のマスターに相談する事にしました。
マスターの名前はカリドと言いました。
其れまでしらなかったのですが漢方屋さんのマドレさんの弟さんでした。
そして二人は何とシンバの前の魔女と一緒にあの大きな木の家に住んでいた事があったのです。
マスターのカリドさんはもう当時から魔石の力が弱ってると前の魔女が言っていたと言いました。
60年位は立っていたと言います。カリドさんが言うには魔石はきれいに丸く磨くと300年位は持つと言われているそうですが上手に丸く磨かれて無いと反対に早い奴だと50年位しか持たないし「呪い」の為に魔石の丸い魔石の力を使うと丸く磨いた人の気持ちに反するので黒く鈍って邪悪な魂が其処にたまって其れが割れると邪悪な魂の心が広がって厄が広がるのだそうです。
マドレさんとカリドさんがシンバの前の魔女に引き取られてマドレさんが8歳になった時に二人に魔力は無いと言うのが解ったので取引先の漢方屋さんが弟子が欲しいと言っていたので其処から二人は今マドレさんがやっている漢方屋さんに引き取られたそうです。
カリドさんは自分も困るがマドレはもっとがっかりするだろうとなぁと言ってため息をつきました。
クレアは少し聞いた其の魔石を取る内容を話しました。
「何でも深い湖の其処まで潜るそうで私は水の中で目を開く事が出来ないので・・。」というとカリドは其れなら「田ことり名人の水中眼鏡を借りれば良いだろう。あれなら水の中でも目を開けてられる。何せ海の中に長い事もぐって隠れているタコを見つけて一本やりでつついてとってくるのだから」と言いました。
其のジェスチャーを交えた話し方にクレアは笑顔を見せました。カリドは初めてクレアの笑った顔を見たように思いました。
カリドは自分の数奇な生い立ちを話し始めました。
「俺たちはもともとシドリアル国の西隣にあるクロラルド国出身でね。今もあの国はそうだが複数の貴族が権力争いをしている。其の権力争いの負けた方についていた俺の父親は敵側の一人の娘を嫁に貰っていた。権力争いに負けたのは俺たちの母親が内通していたからだと言われて実際に内通していた証拠も出てきて殺されてしまってまだ幼い兄貴と俺はクロラルド国の訳ありの子を引き取る養護園に引き取られた。
魔女との関係はシンバの前の魔女の娘が其の俺の父親と恋に落ちてしまった。あれよあれよと言う間に魔力が無くなって二人を引き離そうとすればするほど燃え上がって魔力は落ちて行って魔女は自分の娘を自分の後継者にするのをあきらめた。そして養護園に引き取られた俺達を引き取って育て始めた。所が二人には全くの魔力は無かったのだよ。
其処で俺達を引き取りたいと言う漢方屋に預けて新たに新しい自分の後を継ぐ魔女候補を探してきてシンバを魔力を見つけるのにたけていると言うフクロウが見つけてシンバが次の魔女の候補になったと言うわけだ。
兄貴はあの家の事をよく覚えているのだが俺は其れ程良く覚えてないんだが薬草を取る手伝いを兄貴は興味を持ってやっていたのが漢方屋の目に留まった様だ、とカリドは言いました。
其の時どやどやと同じ制服を着た男達が入ってきました。
乱暴に「店の中を調べさせてもらう」と言うと棚の中を全部ださせたり引き出しを全部開けて中を出させたりしました。
クレアは怖くて震えながら其の様子を見てました。
クレアに目を付けた一人の其の中の一人の男がクレアの持っているお金や薬の瓶を入れて来たカバンに目を付けました。
乱暴に其れを取ろうとするのでクレアは身をかがめて「いや!」と言いました。
カリドが慌てて其の子は「南の魔女の助手の子で「魔女の回復薬」を届けに来ただけで客だから此の店とは関係ない」と言ってクレアの前にたちはだかりましたが男たちは乱暴にカリドをどかすと強引にクレアのカバンの中身を床に落としました。クレアは恐ろしくてガタガタ震えながら「なんて乱暴な嫌な奴」と思わず小さな声で出てしまいました。
彼らが其れを聞きつけると一人が暮れを洋服の首の所を思い切り掴むと「仕事なんだよ!」と吐き捨ている様に言うと間に入ったカリドをにらみつけながら怪しい奴が来たら知らせろと其の男は言いました。
其の中の一人の男が「「魔女の回復薬」が入ったんなら一本イザと言う時の為に買って行こうかな」と言いました。
今度来る体調は「魔法など信じてないそうだから此の薬もただの水に高い金を出している奴の気がしれん」と言っていたそうだからな」と言ってポケットからお金を出しました。
こんな奴に売りたくないと妖精たちが一生懸命見つけて自分が長い時間かけて薬草を煮詰めて更に自分の魔力を入れて丹精込めた薬をこんな奴らに使って欲しくないと思いました。
クレアはしゃくり泣きをしながら「貴方達には使って欲しくない」と言いました。一生懸命作ったのにそんな酷い事をいったり店をこんなに滅茶苦茶にする貴方達には使って欲しくないと言いました。其の兵士が店を出ようとしたのを戻って来たのでカリドはクレアの前に立ちはだかって「此の子は疲れていて今正常じゃないんで・・」と言うと「魔女の回復薬」を持つともう一本サービスしますんでと渡すと其の男は機嫌よく帰って行きました。