遅れてきたサンタクロース
今日になって覚えのない宅配が届いた
送り主は知らない人
しかしその包装紙と送り状の品名で理解できた
一昨日の十二月二十四日のことだ
私は買い物中に財布を拾った
中を確認すると現金だけでなくカード類がギッシリ
私は店員に声を掛けてそれを渡す
店員から中身が高額なので名前を書いて欲しいと言われる
私は間もなくバスの時間なので手短に片づけようと思った
サービスカウンターにいき自分の連絡先を走り書きする
ちょうど書き終えた頃に一人の人が慌てたようすで現れて店員に声を掛ける
財布を落としました!財布を落としました!
大事なことだから二回言ったのだろう
財布にはおそらくキャッシュカードも入っていたと思われる
このままだと現金どころかカードも使えない状態で年末年始を過ごすことになっていた
私はその人が現れたのでお役目御免とばかりに書いた書類を捨てるよう言って店員に渡し、財布の持ち主らしき人に、ではメリークリスマスと告げてバス乗り場に向かった
今日になって届いた宅配の包装紙はその店の名前が書かれている
そして送り状の品名がお礼である
おそらくはその財布の持ち主ががその場のサービスカウンターで品物を選び、私が捨てるように言って店員に渡した書類の宛先を頼りに送ってくれたのだと思われる
クリスマスのプレゼントが遅れて届いたように思えた
もらって嬉しいモロゾフだ