ジュンチャンと世界を巡る 第77回はオセアニア
「ジュンチャンと世界を巡る」、今日から再スタートです。
南アメリカ大陸まで到達しましたが、今回から太平洋を越えてオセアニア州に入ります。
オセアニアは六大州中 最小の州で、その小さな陸地面積のうちオーストラリア大陸が86%を占め、さらに島々の中で最も大きなニューギニア島とニュージーランドを含めると98%にもなります。
残りは、太平洋の中に点在する小さな島々であり、それがオセアニア(大洋の州)との州名の由来にもなったのです。
一般的に、オセアニアはオーストラリア大陸、メラネシア(パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ等)、ミクロネシア(ミクロネシア連邦、パラオ共和国、キリバス共和国等)、ポリネシア(ニュージーランド、キリバス、サモア、ツバル、トンガ等)の4つの地域に区分されます。
ここには14か国が存在します。
メラネシア、ミクロネシア、ポリネシアの3地域の名称は、ヨーロッパ人探検家たちによる命名が始まりです。
1756年、フランス人探検家シャルル・ド・ブロスが「多くの島々」を意味するギリシャ語の「ポリネシア」を太平洋全島々の総称として用いたのがはじまりです。
その後、同じくフランスの探検家ジュール・セバスティアン・セザール・デュモン・デュルヴィルがオセアニア島嶼部を3地区に分けることを考えだし、1831年にパリの地理学会で公表しました。
現在は、この案を基本的に踏襲しています。
「メラネシア」はギリシャ語で「黒い島々」を意味し、「ミクロネシア」はギリシャ語で「小さな島々」を意味することから名づけられました。
この島々を地図で確認すると、もっとも北に位置しほとんどが小さな環礁からなるミクロネシア、オーストラリアとミクロネシアの間に位置し、ニューギニア島を含み、やや大きな火山島や標高の高い島々が多数を占めるメラネシア、そしてオセアニアの東半分を占め、ニュージーランドやハワイ諸島などの大きな島々から小さな環礁までさまざまなタイプの島々が広大な海域に点在するポリネシアの3つの地域に区分されています。
約5~6万年前から3万5000年前、東南アジア方面から現在のオーストラリアやニューギニアの内陸部や沿岸部へ住み始めたのはオーストラロ・メラネシア系(オーストラロイド)の人々であったといわれています。
これらの人々は、このオセアニアに移住する前は、東南アジアの島々や東アジア大陸に居住し、狩猟採集しながら暮らしていたのです。
ところで、約5~3万年前は、更新世の最終氷期の時代であり、地球規模で気温がさがり、海面も現在の海面よりも最大で150メートルも下がり、島々は大陸とつながっていました。
たとえば、ボルネオ島やジャワ島などはアジア大陸(スンダ陸棚)と、オーストラリアはニューギニアと陸続き(サフル大陸)でした。
しかし、この両者(スンダ陸棚とサフル大陸)はこの時代も海によって隔てられており、多くの島々が存在していました。
ウォーラシア海域と呼ばれ、最短でも直線で100キロメートルほど離れていました。
人々は海を渡り、各島へ移住していったのは約3万5000年前のことといわれています。
これらのことを示す証拠として有袋類のクスクスや黒曜石が多数出土しています。
しかし、ソロモン諸島より東への移住はこの時代でなく、はるか後の約3300年前にまで下がってくるのです。
そこからオーストロネシア語系の言語を持つモンゴロイド系のラピタ人(ラピタ人は、人類史上初めて遠洋航海を実践し、太平洋の島々に住み着いたと思われる民族。ラピタという名前自体は、ニューカレドニアの現地語で「穴を掘ること」または「穴を掘った場所」を意味する「ハペタア (xapeta'a)」を、発掘した遺物のことと誤解して付けられた。)と呼ばれる人々は、パプアニューギニアのビスマーク諸島から東南方向に島伝いで移動しフィジーにたどり着いたのです。
そこから南西方向(ヴァヌアツとニューカレドニア)と南東方向(トンガとサモア)の二方向に分かれて遠くまで移動を続けました。
こうしてトンガやサモアにたどりついたラピタ人は、そこで1000年ほど留まり今のポリネシア文化の祖形を作り上げ、ポリネシア人へと変容しました。
およそ2000年前に移動を再開し、1600年前ごろにはハワイ諸島やイースター島まで到達していました。
さらに、彼らポリネシア人は、800年前にはニュージーランドにたどり着いています。
これらの島々は船によって緊密な連絡を相互に保っており、950年ごろに成立したトンガ大首長国は北のサモアや西のフィジーまでを支配下におさめた一大帝国を1500年ごろまで維持していました。
次回から、ラピタ人が昔々のその昔大活躍していたオセアニアの国々を個別に紹介します。
相変わらずコロナが猛威を振るっていますので、コロナ退散の意味も含めて力を込めて再スタートしますので、気楽に遊びに来てください。
※→写真や地図が使えないので、ここは説明が難しい!(^^)