☆ ドリーム・スター ☆

ドリーム・スター

人生は 物語

誰もが 主人公

関東、大雪予想の朝の出来事

人生

通勤はいつもバイクなのだが
大雪の予想で久しぶりに電車通勤
会社の事務所があるビルには
ハローワークがあるのだが······
今朝、事務所の建物に近づくと
前から1人の女性が僕の方に向かって
ふらふらと来て目の前に
僕の目を見つめて
ずっと食べて無いんです
そう言うのだった
身なり服装は防寒、だが化粧もお世辞にも
ちゃんとしているとは言えない
会社に早く行かなきゃ遅刻してしまう
食べて無いって、どうすりゃいいんだ
無駄使い防止に現金はわずかしか持ち合わせは
無い、それにお金を下さいとは言っていない
でも、目には力を感じないし
ふらふらと歩いて近寄って来たし
食べ物は持ってはいないし
一瞬、考えたが
女性なのに、物乞いをするなんて
よほど困っての行動なのだろうな?
僕は、明日は祭日だし今日の交通費と昼食代
余裕は無いのだが、可哀そうに思い
ショルダーバッグにいつも小銭を入れている事
思い出し、それを全て彼女に渡して
これで、何か食べて!
そう言ってその場を離れた
女性の年齢は30代後半ぐらいだと思う
このコロナのご時世で職を失い
貯蓄も尽きたのだろうか?
ちゃんと食べる事が出来ない世の中なんて
今、現実に生活困難者はどれだけいるのだろう
働いていて収入があるのに子供にお金が必要と
国は支給を決めたが本当に困っている人間を
助けてはあげないのだろうか?
こんな世の中に誰がしたのだろう
こんな寒くてみぞれ混じりの朝から
彼女に何があったのだろう?
住む場所、寝る所はあるのか?
親兄弟、親戚はいないのだろうか?
でも、そういう僕も両親は早く他界して
ひとりっ子だから兄弟もいない
親戚付き合いももう数十年していない
天涯孤独の生活をしている
結婚は2度したけど上手くいかず別れた
一人娘がいるが、成人になり
それなりに生活している
色々な条件で孤独な人間っていると思う
その人間の性格とかもあるし
誰かに助けてと言えるなら
僕は言えたら、いいと思う
話しを聞いてあげてもいいと思う
寂しかったり人生を投げ出したくなっても
考え直す、きっかけとかあればいい
助け合うのは当たり前の事だよ
時に、人を騙すような悪い人もいるけど
判断をするのは己、自分なのだから
自分の出来る範囲内で可能な事をしたらいい
助けられ、助け返す
人間は素敵な感情を持っている
僕は、大きな事故で身体が不自由にも
なった事もある今も後遺症があり悩んでいる
でも社会復帰して普通に働いている
誰かの為に自分の為に生きる為に
それが人生だと感じ生きている
今朝の彼女は必死だった恥も捨て声をかけ
この人ならと、きっと勇気を振り絞り
僕の目を見つめて言ったんだろう
何も食べてないんです
何も聞かず、言わずに小銭だが渡した
それがその時出来る事だった
もっとお金を渡せば良かったかな?
会社で働く人にその出来事を話すと
笑われた?何故?
騙されているよ、
だから?本当に困った事を経験してない人
何もわかっていない
僕は、たとえ騙されたとしてもいい
僕の気持ちの中では彼女が自分だったらと
その時に思い、その行動をしたのだから
僕の姿、格好に特別、お金持ちには見えない
その僕に、声をかけ言ったのだから
誰にでも声をかけているんじゃない
相手の雰囲気や感じを見たと思う
人間、人生を重ねてくると、不思議とわかる
動物、犬、猫、鳥でも僕には寄って来る
ちゃんと目を合わせる
コンタクトが取れた瞬間に不思議とわかる
どんな思いでいるのかと
この世の中、人情とか無くなってしまうのかな
寂しいな、頑張って生きろよ負けるなよ
嫌な人間も多いけれど、そんな奴ばかりじゃ無いさ、困ったり悩んだら話せる人を見つけて
きっと理解してくれる人もいるのだから