青の魔力
コロナ禍の昨今、なかなか外食するのも憚られますが
先日ちょっとした機会があり群馬の尾島にある明養軒に行ってきました。
ここは明治十八年創業の料亭で、かの中島知久平が足繫く通ったと言われています。
中島知久平と聞いてピンとくる人は
ミリオタが歴女か群馬県民のどれかだと思うのですが
東洋最大の航空機メーカー中島飛行機の創業者です。
戦後は解体され12の企業に分割されましたが
自動車メーカーのSUBARUや、電動工具のマキタなんかも
元を辿れば、この中島飛行機に辿り着きます。
余談ではありますが
中島飛行機は終戦後しばらくは米軍に接収されていたのです。
とある日近くに住んでいた(といっても2~3kmはありそう)親戚のおっちゃんは
ローラースケートで滑れる場所を探していたそうです。
当時舗装された場所はそれほど多くなかったのですが
中島飛行機の周辺だけは、トラックの出入りが多いため
しっかりと舗装されていたそうです。
なので中島飛行機の敷地の前の公道でローラースケートをしていたら
米兵から銃をぶっ放されたと言っていましたw
いやいや恐ろしい話です。
大幅に話が逸れました。
そんなSUBARUのイメージカラーといえばすこし明度の下がった青
スバルブルーなんて呼ばれていますが
あれは夜空の青なんだそうです
SUBARUは昴から取られた名前でエンブレムも六連星ですからね
夜空をそのまま写しとったような深いブルー
それは僕の誕生石でもあるラピスラズリの青なんです
また少し話が変わりますが色を塗る際、神経質になる色というのがあります
明度の高い色ほどナーバスになるのは
下地の色次第で全く異なる発色になるからです
明度の頂点たる白が非常にナーバスな色であるのは至極当然のことと言えます
個人的に白とは別に青を使うとき少しだけナーバスになるのです
それはまた白とは別の理由で…。
さてフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」という絵があります
かなり有名な絵なので、皆さん一度は見たことがあるんじゃないかと思います
この絵のターバンの色鮮やかな青
また「牛乳を注ぐ女」のエプロンにもこの青は見ることが出来ます
この青は「ウルトラマリンブルー」と言われています
アフガニスタンから地中海を渡ってきたため
海を越えてきた=ウルトラマリンというわけです
アフガニスタンで採掘され、海を渡ってヨーロッパにやってきた
このウルトラマリンの顔料の正体こそラピスラズリなのです。
日本画では群青といってアズライトが使われていましたが
西洋画では、この時代の青はラピスラズリ以外では出せなかったようです。
その為まあお値段は…ねぇ。
驚くべきことに、金より高かったそうです…。
その話を知ってからは、青を使うときに妙な緊張感が走るようになりました
15mlで4000円の塗料使ったことあるんですけど
一種独特の緊張感が生まれました。
青を使うときもこれと似たような緊張感が生まれるんですよね
金の相場が、今のレートでだいたい g=8000円くらいなので
この値段以上の塗料を使うとなると痺れまくる気がしますね。
ガイアノーツのウルトラマリンブルーは30mlで880円とお求め安くなっています。
良い時代になったものだ!(顔料にラピスラズリは使ってないと思うけど…)
あ、そういえば
大航海時代には、胡椒と金 が等価だったようですので
お料理中に、胡椒一振り8000円と考えると
とても失敗しにくくなるんじゃないでしょうかね?
恭介
2022/02/18 00:35:03
Re:みちる♪さん
当時、胡椒は金と同じレベルの貴重品だったということでしょうね。
インドまで行かないと手に入らなかったり、
味としてもパンチがあってかなりの衝撃だったんじゃないでしょうか?
この時代にも、食道楽とお金捨てたい病の人は居たということです…w
みちる♪
2022/02/17 15:28:08
胡椒とと金が等価…。
すごい時代だわ。
うん、胡椒使わなきゃいいじゃんw