世界を巡る旅 第88回はニューカレドニア
今回は独立国ではないが、ニューカレドニアを取り上げます。
ニューカレドニアはニューカレドニア島(フランス語でグランドテール Grande Terre、「本土」と呼ばれる)およびロイヤルティ諸島(ロワイヨテ諸島)からなるフランスの海外領土です。
ニッケルを産出する鉱業の島でリゾート地もあり、ニューカレドニアの珊瑚礁は世界遺産に登録されています。
地理的位置はオーストラリア東方の島で南太平洋のメラネシア地域にあり、面積は1万8575.5平方キロメートル(四国ほどの大きさ)で、フランス語ではヌーヴェルカレドニー 、ニューカレドニアは 英語(Caledoniaはスコットランドのラテン語名なので、新スコットランドとなる。)読みで、現地語ではカナキー (Kanaky) と呼ばれています。
カナキーという名はポリネシア語で「人間」を意味し、ポリネシア人の自称として使われる「カナカ (kanaka)」から来ています。
人口は2016年の調査では27万5355人、政庁所在地で人口最大の都市はヌーメア(2014年の人口は9万9926人)です。
1985年以降、メラネシア系先住民カナックによる激しい独立運動が行われ、現在では沈静化しました。
1998年にフランス政府と独立派のFLNKS、カレドニア共和国運動と締結されたヌーメア協定(英語版)に基づき2018年11月4日、2020年10月4日、そして2021年12月12日に独立を問う住民投票が実施されましたが、いずれも独立反対が過半数を占め独立は否決されています。
ニューカレドニアの先史ですが、西太平洋に人が住み始めたのは5万年前で、その後パプア諸語の民族がメラネシアに拡散し、他にも、ラピタ人 がメラネシアの島々に移り住んでいました。
紀元前1500年、ラピタ人たちは現在のニューカレドニアおよびロイヤルティ諸島に到達し、高度な航海術や農業、土器作りは太平洋の広い範囲に影響を及ぼしたのです。
その土器などの痕跡は今もニューカレドニアに残るほか、彼らの前に住んでいた民族による1万年前のペトログリフ(岩刻)も残っています。
その後、オーストロネシア語族が台湾などを起点にオセアニアに進出して、11世紀ごろにオーストロネシア語族のポリネシア人がニューカレドニアに到達し、パプア系などの先住民族と混血しました。
ニューカレドニアのメラネシア人は、27のメラネシア系言語とウォリス・フツナ人よりもたらされたポリネシア系言語、合わせて28の言語を有しています。
その共同体社会は、クラン(clan、氏族)を基本単位にして細分化していて、実際の居住はいくつかのクランが集まり集団 (tribu) を構成しています。
これらの集団において首長権限に違いが出ていて、たとえば首島のグランド・テール では首長権限は緩やかですが、ウベア、リフー、マレなどのロイヤルティ諸島では、首長支配が強いのです。
地理ですが、ニューカレドニアは南西太平洋の南緯21度30分、東経165度30分あたりに位置し、オーストラリア大陸の約1200キロメートル東、ニュージーランドの約1500キロメートル北西にあり、島国バヌアツはニューカレドニアの北東にあります。
ニューカレドニアは本島(グランドテール島)と周囲の島々からなり、ベロップ列島 が本島の北に、ロイヤルティ諸島が本島の東に、イルデパン島が南に、チェスターフィールド諸島とベロナ環礁がさらに西にあります。
本島グランドテールはこれらの島々の中で群を抜いて大きく、唯一山がちな島で、島自体の面積は1万6372平方キロメートル、北西から南東に細長く伸び、長さは350キロメートル、幅は50 - 70キロメートルで、長く高い山脈が島の中央部に伸び、中には1500メートルを超える峰も5つあり、島の最高地点はパニエ山(標高1628メートル)です。
ニューカレドニアは南西太平洋の南緯21度30分、東経165度30分あたりに位置し、オーストラリア大陸の約1200キロメートル東、ニュージーランドの約1500キロメートル北西にある。島国バヌアツはニューカレドニアの北東にある。
生態系ですが、比較的新しい時代に火山によって形成された多くの太平洋の島々とは異なり、ニューカレドニアは古代のゴンドワナ大陸の破片にあたるため、8500万年前にオーストラリアから一塊の陸地が分離し、この陸地は5500万年前にさらに二つに分かれ、これがニューカレドニアとニュージーランドになりましたで。
このため、ニューカレドニアにはゴンドワナ起源の珍しい固有の植物・動物が残っていて、特に有名なのは山岳部の密林に住むニワトリ大の灰色の鳥カグーで、威嚇や求愛の際には頭の巨大な飾り羽をはね上げ大きな翼を広げ、犬にも似た奇妙な大声で鳴き、飛ぶことはできず林の中を走り回っています。
ニューカレドニアのシンボルともいえる鳥で、人間の持込んだ犬や猫などにより絶滅が心配されていますが、他に道具を自ら作って獲物を捕るカレドニアガラスなども有名です。
ここから観光紹介に入りますが、「天国に一番近い島」と言われているニューカレドニアは新婚旅行で人気の場所で、最近は家族旅行で訪れる方もおられます。
まず、「FOLの丘」です。
街の中心地から徒歩10分ほどのカトリック教会の裏にあるFOLの丘は、ヌメア市街を一望できるで、「サン ジョセフ大聖堂」の2本の鐘塔越しに「モーゼル湾」のヨットハーバーが見えて、フランスらしさが漂う多くの観光客が訪れる絶景ポイントです。
次に、南太平洋の宝石箱と言われている「イル・デ・パン」です。
ヌメアから飛行機で約25分、高速ボートなら約2時間半で行ける島で、この島には水上バイクなどの激しいマリンアクティビティはありませんが、美しいサンゴ礁と魚が魅力な島です。
特にオロ湾の入り江にある「天然のプール」という意味の「ピッシンヌ ナチュレル」は圧巻、イル・デ・パンの象徴でもある「南洋杉」の林を抜けた先に、オロ湾の海水が絶えず入り江に流れ込み、見たこともない絶景が広がります。
島の南西側にある「クト湾」と「カヌメラ湾」のビーチも、深いエメラルドグリーンの海と青々とした南洋杉が素晴らしい絶景を造ります。
最後にウベア島です。
白いビーチが約25kmも続く、見たこともない色で輝く海がそこにあり、「天国に一番近い島」と言われているのは、ここ「ウベア島」のことです。
島全体がおすすめのスポットですが、「ムリ島」につながっている「ムリ橋」からの眺めが特にイチオシで、ここではただ美しい海を眺めていれば、誰でも「天国」にいけます。
次回からはポリネシアに入りますが、引き続き気楽に遊びに来てください。( ^)o(^ )(ジュンチャン)