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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ②     

レジャー/旅行

こんばんは!15日(金)は、北海道と南西諸島は晴れますが、

西日本から東北にかけての広い範囲で雲が多く、
東日本や東北では、1日を通して雨の降りやすい天気となる見込みです。
西日本は昼頃までには雨や止むでしょう。
台風1号は15日朝から昼過ぎに掛けて小笠原諸島に最も接近する見込みです。
小笠原諸島では暴風や高波、土砂災害に厳重に警戒し、
低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。

黄金に染まる
  ブナの森へ
岩と紅葉の
  コントラスト
雲 流れる山
絶好の登山日和

              天高く空を楽しむ
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                雨飾山

*この番組は2021年3月に放送したものです

〇山岳気象予報士 猪熊隆之さん

猪熊隆之さんは登山化を目指していましたが大怪我を負い、
山岳気象の専門家に転身。
今はヒマラヤなどを目指す登山隊に、現地の予報を伝え、登頂を支援しています。
さらに山と空を楽しむツアーも企画し、案内役を務めています。

*撮影:10月中旬

前回は根元が大きく曲がったブナ、高さが10mを超えているブナ。
そのブナが生えています標高1300mまで登って来たところまでの紹介でした。
今回はここから森を抜けて行きます。

辺り一面、まさに黄金の森。
それにしても何でこんなに黄色くなるんだろう?

「葉っぱというのは元々クロロフィルという色素で緑色になるんですけれども、
 葉が落ちる時期に近づきますと、色が分解し黄色の色素が普通が残るんですね。
 そうすると黄色の紅葉になります」

ふ~ん、秋になると緑の色素が分解されて~、
黄色だけが残るんですね~。
だから葉っぱが黄色く見えるんだ。

登山口から歩くこと1時間

〇ブナ平

「ブナ平に到着です。
 ちょうど休憩にいい場所なので、休憩していきましょう」

は~い。
ひと休みっと。

ザックを落として~、深呼吸。
鮮やかな紅葉に包まれて~、癒されるな~。

「あっ、キノコがあります」

直径5cm程の赤いキノコ。

「鮮やかですね~、ほんとに秋って感じですね」

食べられるのかな~?

「キノコの判別は難しいので、
 あの専門家の人がいない限りは食べない方がいいですね~」

〇ドクベニタケ

秋の実りは目で楽しむだけにしておこうっと。

ブナの森の中をさらに上に進んで行きま~す。

ちょっと木が疎(まば)らになった。
ここ森が開けてる。

あっ、猪熊さん、写真ですか~?
何撮ってるの?

「今ねぇ雲を撮ってるんですよ。
 ちょうど美しいすじ雲が出てます」

雲の動きを見て、気象予報をしている猪熊さん。
ちょっと仕事場、拝見したいな~。

ここで山旅スケッチ。

<山旅スケッチ>
 山の気象予報とは

〇長野県茅野市

長野県茅野市。
山岳気象専門の会社を日本で初めて立ち上げた猪熊さん。
ヒマラヤなどを目指す登山隊の為に、様々なデータを分析し、
天候を予測しています。

〇エベレストベースキャンプ

この日はヒマラヤの登山隊に長野から衛星電話。
エベレストの気象予報を伝え、登頂が成功するようアドバイスをしました。

〇話

 山岳気象予報士 猪熊隆之さん

「20日はもうですね~、ちょっと朝まで~、
 気圧の谷の影響を受けそうで~、
 こう天気が~崩れる可能性がある」

「まぁなるべく嬉しくリスクの無いようにね、
 安全に登って帰って帰って来れるように、
 まぁ全力でサポートしたいとは思っています」

〇観天望気

予報の基本は観天望気(かんてんぼうき)。
空の様々な現象を分析し、天気を予測していきます。
例えば雨飾山で見た巻雲(けんうん)と呼ばれるすじ雲。

「巻雲というのは、最も高い所に浮かんでいるものなんですね~。
 この雲が出来る時っていうのは、晴れてることが多いです」

空が高く晴れている時に見える巻雲。
その後現れる雲によって、天気は変わるといいます。

「巻雲がこう出来て来て、その後薄雲にこう変わってくるような時っていうのは、
 翌日にはこう天気が悪くなることが多くなります」

〇巻雲が薄く広がると天気は下り坂

特に登山者が気を付けたい雲は?

「メガネのこうレンズのようなね、凸レンズの形をしてますので、
 まぁレンズ雲と呼ばれます。
 この雲が出てる時は高い山の上では、
 非常に強い風が吹いていることが多くなります」

〇レンズ雲

麓で見かけたら、山の上では強風が吹き荒れている。
観天望気、知っていると役に立ちそうですね。

午前7時半

幹周り3mを超えるブナ。
こ~んな大きな木があちこちにあるんだ。

「あっ、ここに実がありますよ~」

えっ?どこどこ?

〇ツバメオモト

「ツバメオモトの実だと思います」

1cm余りのツバメオモトの実。
綺麗な藍色が燕の頭に似ていることから、
ツバメオモトって名付けられたんですって。

〇ムシカリ

こちらはムシカリの実。
艶やかな赤だな~。
熟すと赤い実が段々黒っぽくなるんだそうです。
色々なってて賑やかな森だな。

標高1500っまで進んで来た。

「え~、ここから下りになりまして~、荒菅沢までは下りが続きます」

この先、沢があるんだ~。

「これまでの女性的山容から、
 ここからは男性的な荒々しい姿に変わっていきます」

綺麗な水、滑らないように気をつけよおっと~。
よいしょっと。

「え~、ここが荒菅沢の絶景ポイントになります」

〇荒菅沢

登山者に一番人気のビューポイント。
天気と紅葉のタイミングもぴったり。
最高の巡り合わせだな。

「今日は凄いですよね、この青空と~、色とりどりの山腹の紅葉と。
 それから布団菱(ふとんびし)は、このコントラストがもうたまりません」

〇布団菱

布団菱って、ちょっと変わった名前だな~。
それにしても素敵な景色。

布団菱を左手に見ながら尾根を登って行きま~す。

「この先は急登が続きま~す。
 結構登りがきついです。
 ちょっと足元ね慎重に見ながら行きましょう」

わっ、足元滑りそ~う。
大きな石もゴロゴロしてる。

結構段差があるから手を使ってっと。

猪熊さん、目の前に木が。

「わぁ~、凄~い綺麗ですね~。
 ちょうどクライマックスを紅葉が迎えてま~す」

ほ~んと、燃えるような色。

きつい傾斜を紅葉に励まされながら登って行きます。

少し平らになった。

「あ~、この楓(かえで)は凄く色が鮮やかな黄色ですね~」

まさに輝いてる。
陽の光を浴びているのはコハウチワカエデ。

〇コハウチワカエデ

葉っぱは赤ちゃんの掌(てのひら)程、可愛い。

こちらもコハウチワカエデ。
種類が同じでも陽の当たり方で色付きが変わるんですって。

標高1600m付近。
随分視界が開けてきた。

「あ~、だいぶ登って来ましたね~。
 もう布団菱岩の高さが大体、こう目の高さに近くなってきました」

は~、下で見た布団菱が目の前に。

今回はこの辺りで終了と致します。
次回は布団菱の名前の由来から始めます。