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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③   

レジャー/旅行

こんばんは!16日(土)は、東北では午前中を中心に所により雨や雪が降り、

東日本や近畿から山陰では雨の降る所がありますが、
午後は次第に晴れ間が広がる見込みです。
その他の地域は概ね晴れますが、南西諸島は雲が広がるでしょう。
台風1号は小笠原諸島を北上し、
16日昼過ぎには日本の東で温帯低気圧に変わる見込みです。
小笠原諸島では16日明け方にかけてうねりを伴った高波に警戒してください。

黄金に染まる
  ブナの森へ
岩と紅葉の
  コントラスト
雲 流れる山
絶好の登山日和

              天高く空を楽しむ
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                雨飾山

〇山岳気象予報士 猪熊隆之さん

猪熊隆之さんは登山化を目指していましたが、大怪我を負い、
山岳気象の専門家に転身。
今はヒマラヤなどを目指す登山隊に、現地の予報を伝え、登頂を支援しています。
さらに山と空を楽しむツアーも企画し、案内役を務めています。

*撮影:10月中旬

前回は下で見ました布団菱が目の前のところまでの紹介でした。
今回は布団菱の説明から始めます。

〇布団菱

「一説によると~、まぁ布団を干すのに、まぁちょうどいい岩ってことで~、
 まぁ名付けられたともいわれています」

南に面した大きな一枚岩。
陽当たりも良くて、布団がフッカフカになりそうだな。

10分ほど進むと。

「は~、いよいよここで山頂が初めて見えました」

どこだろう?

「三角形のね尖った岩峰の右側のちょっと山頂付近が緑になってる部分ですね~」

〇山頂(南峰)

あれが双耳峰の南峰、まだまだありそうだな~。

荒菅沢から尾根沿いに1時間半かけて標高差450mも登る。
稜線から色付いた山々が見渡せ、空もすっきり爽やか。

険しそうな剥き出しの岩場が出てきましたね~。

「ここがいよいよ核心部になります」

この山一番の難所だ~。

「そうですね~、ここはちょっと岩登りの基本的な登り方の
 三点支持という方法で登って行きます」

両手を使えるように、ストックをしまってっと。

結構急な登りだな~。
よいしょっ、あ~。

しっかり岩を掴んで、三点確保。
手と足に神経を集中して登ろっと~。

足場もしっかり見極めよう。

わぁ~、10分余りで岩場を越えた。

あっ、猪熊さん、北の方に見えるのは~、海ですか~?

「わぁ~、凄い。
 日本海がよ~く見えますね~」

連なる山並みの向こうに日本海が~。

「向こう側に薄っすらと佐渡島が見えます」

〇佐渡島

「これだけ海が近いので~、雨飾山は日本海からですね
 湿った空気の影響を受けやすくて、天候の変化が凄く激しい山です。
 ですから珍しいですね~、こんないいお天気なのは~」

これだけ晴れるのは珍しいんだ。
今日は天気に恵まれて有難いな。

登山口から歩くこと3時間半

「稜線の一角に出てきました」

広くて気持ちいい所。

「はい、この辺りを笹平(ささだいら)といいます」

〇笹平

「ご覧の通り、こう笹の原っぱで、緑の絨毯みたいになってます」

奥に見えるのが山頂ですか~?

「そうですね、いよいよね山頂が結構近くになってきました。
 あちらが雨飾山の山頂です」

右手が北峰で、左手の少し高いのが南峰。
ここから見ると~、猫の耳には見えないな。

        南峰                 北峰
        ↓                  ↓

あれ?猪熊さん、それ、何ですか?

「あっ、これは風速計になります」

強風が吹く山の上、風速計の使い方教えてください。

<山旅スタイル>
 風速計の使い方

〇風速計の使い方

「はい、この中に羽が回ってるんですけれども、
 この羽を風に向かって、こう直角に向けていきます」

なるほど~。

〇風に対して直角に
 風速計をあてる

風の方向を見極め、風に対し直角に風速計をあてるんですね?

「今日はですね~、1、2mですね~、大丈夫です」

なぜここで使うんですか?

「ここから先、山頂まで風の吹き曝(さら)しになりますので、
 体温がどんどん奪われていきます。
 まぁ特に天候が荒れている時は~、低体温症のリスクが高まりますので~、
 まぁここで風速があまりに強いようでしたら~、
 引き返すという判断をします」

〇強風の中
 進むかどうか判断するために風速計を使う

強風の中、進むかどうか判断する為に風速計を使うんだ。

「人間の体温を奪う大きい気象要因として風があります。
 体感温度、体で感じる温度は、風速が1メートル増すごとに、
 1度ぐらいずつ下がるといわれています」

〇風速1mにつき体感温度は1度下がる
 風速15mを超えると低体温症のリスクが高まる

風速1mにつき体感温度は1度下がる。
15mを超えると低体温症のリスクが高まるんですって。

遭難を防ぐ為に風速計使ってみよっと。

午前9時半、風も無いし天気もいいし、晴れ渡った穏やかな日。
緩いアップダウンを繰り返しながら、最後の急登を目指して進む。

それにしても森林限界を超えてないのに、全然高い木が無いな~。

「ここはあの豪雪地帯で~、雪が深いことと、風が強いことが原因で
 木が生育出来ないんです」

へぇ~、木が無いのは豪雪と~、日本海からの強風のせいなんだ~。

標高は1900m。

今回はこの辺りで終了と致します。
次回はいよいよ山頂を目指します。