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8冊目、読了

日記

清水卯三郎  文明開化の多彩な先駆者」 今井 博昭 著

 

埼玉県羽生市の偉人、清水卯三郎は渋沢栄一と同じ時代に生きた商人であった。江戸時代は士農工商と言った身分制度があったので、農家出身でありながら武士になった渋沢栄一ほど政治にかかわったりはしなかった。しかし、先を見る目は確かで漢学、オランダ語や英語などこれからは外国語を話せないと世界に通用しないと先陣を切った。薩英戦争の通訳を務めたり、捕虜となっていた有能な若い二人、五代友厚や寺島宗則を熊谷市の親戚にかくまったりした。先のNHK「青天を衝け」では、パリ万博に幕府に匹敵するたくさんのものを出品した。また、数寄屋造りの水茶屋を設け人気を博したにもかかわらず、水茶屋が少し映っただけで名前は出なかったような気がする。郷土の偉人と言っても、正直私も名前は知っていてもどんな活動をした人物かほとんど知らなかった。

今回、この本を読んで先を見る目とそれに向かって努力する積極果敢な姿勢を貫いた人だということがわかった。渋沢栄一に匹敵する多彩な生き方をした清水卯三郎の本を、もう少し読んでみたいなと思った。深谷市のように、羽生市も郷土の偉人をもっと盛り上げてもらいたいと思う。