セカンド

松濤公園

小説/詩

水鳥が桜を映す湧水の中を泳いでいる
遠い記憶がよみがえる

あの時の水面だ
あなたと見た景色だ

二人でベンチに座っていた
デパ地下で買ったプチシュークリームを食べてながら

最後の1つをどちらが食べるか
じゃんけんで決めた

勝ったあなたは
満足げに大きな口を開けて一口に放り込んだ

そして入っていた袋を小さく畳み
私に手渡した

ブランドバックにゴミは入れない?
水鳥が笑っていた

公園にはなぜか古い水車小屋があった
私たちのために時がとまっていた

渋谷駅まで歩いた
独りで

ジーンズの後ろの右ポケットに手を入れる
あの時の紙袋はそこには存在しない

すれ違う人
一人一人が時間の流れのよう

駅に着くと
10年の時が無言で完成していた

振り返ると
人の波が押し寄せてくる

目を凝らしてもその中に
あなたは

やはり
居ない










  • セカンド

    セカンド

    2022/05/06 01:06:30

    Reimy 様

    詩は出てきた言葉を書いて投稿して
    そのまま読み返さないのですが・・・

    いつも最初の2行が乱れます
    気が付くと直すのですが^^

    松濤公園は渋谷の高級住宅街の松濤にある公園です
    しばらく行ってません

    昔その辺に住んでいた方と
    二人でいった想い出があります

    そうですね
    時の流れを感じます

    景色は同じでも空気が違う的な・・・

    春は自分も好きです
    しかし花粉が!

    昔は無かったけど
    いつの間にか現れましたね?

    春は出会いの3月
    若いころはそんな気がしていました^^







  • Reimy

    Reimy

    2022/05/05 10:13:41

    年を経て行くにつれ、自分だけ取り残されて、
    回りの時間がどんどん過ぎて行くような感覚になることがあります。
    だからと言って戻りたい時代や希望溢れる未来に行けるわけでもなく…。
    垣間見える孤独と侘しさに共感を感じました。

    春は好きなのですが、春はメンタルバランスが崩れやすいかな。
    今一つモチベが上がらない。(´-`*)ガンバレ自分と尻を叩いております。