経世済民④～凶悪
消費税は、更なる凶悪な力を得る事になります。
その前に、消費税って誰に納税義務があると思いますか？
そりゃお金を使う度に消費税分を支払っているのだから、消費者だろ！
答えは、ブッブーなのです。
消費税を実際に収めているのは、その消費税分を領収した事業者です。
これは消費者から預かった消費税を間接的に収めているって事でしょう？
そう思ってしまうのも無理はありませんね。
ところがです、事業者には消費税の免税制度というのがあるんです。
年間売り上げ1000万円以下の事業者は、消費税を納税しなくてもいいという制度。
え？それって消費税分としてお金を取って置いて、それを納税しないなんてピンハネじゃんか！
同じ様な考えで、消費税が導入されて間もなく、弁護士や税理士の団体が裁判を起こしました。
上記の様な原告の主張に対し、被告である国は次の様に主張しました。
被告（国の主張）
消費者は納税義務者ではない。
主張１，消費者に対して納税義務の存否・範囲を確定する行政処分と見るべき行為も存しない。すると、不服申立手続きや訴訟手続きなどの不服申立権は、現制度上いずれも行政処分の発動を前提にしているから、消費者に消費税についての不服申立権が無いのは当然である。
主張２，所得税や法人税の計算上、消費税は預り金、仮払金として記載されるが、これはあくまでも企業会計上の会計技術に関する説明であり、納税義務者の問題とは無関係である。
主張３，事業者が取引の相手方から収受する消費税相当額は、あくまでも当該取引において提供する物品や役務の対価の一部である。これは免税事業者や簡易課税制度の適用を受ける事業者についても同様であり、結果的にこれらの事業者が取引の相手方から収受した消費税相当額の一部が手元に残る事になっても、それは取引の対価の一部であるとの性格が変わる訳ではなく、したがって税の徴収の一過程において税額の一部を横取りする事にはならない。
簡単に言うとですね、主張１では消費者が消費税についてわーわー言う権利はねーんだよっ！
主張２は、消費税は事業者は一時預かりという形にしてるらしいが、そりゃ経理上わかりやすいようにやってるだけであって、俺らがそうしろって言った訳じゃねーし。
主張３、物の値段は事業者が決めて、消費者はそれでいいって言って買ってるだけだろ。そんな事知らねーよ。
要点、ガタガタ言わずに払えばいーんだよ！
つまり、私たちが消費税だと思って払っているお金は、事業者が仕方なく行った値上げという訳なのです。
これは消費財法でもしっかりと謳われておりますので、判決は当然原告側の棄却という結果に終わりました。
これ、正確にお知りになりたい方は、図書館に行って調べてみてください。
判例時報（1344号115～125ページ）
損害賠償請求事件、東京地裁平成元（ワ）5194号、平成３・２・２６民15部判決、棄却（確定）
つか、判例時報って平成３年の時点で1344冊もあるのね(笑)
そりゃそーか。。。
では、この免税事業者の制度って何のためにあるのでしょうか？
答えは簡単。
そんな小さな企業やお店、一人親方の自営業から消費税を徴収しちゃうと、簡単に潰れちゃうからなのです。
そろそろ消費税の正体がわかってきましたね。
消費税は欧州では「付加価値税」と呼ばれています。
つまり、事業者の粗利益に課税する直接税なのです。
私たちが消費税として支払ったお金は単なる間接税等ではなく、政府が事業車に強制して行わせた値上げです。
小さな企業など簡単に潰してしまうほどの破壊力を持つ消費税は、追加されるある制度から力を得て、その弱小企業や個人事業主にも牙を剥く事になるのです。
そのお話は次回に。
招き猫
2022/05/06 10:38:12
姐さん
そうそう！ありましたねぇ～消費税パニック！
その頃、私はハタチでコンビニの雇われ店長をやってまして、脳みそ沸騰しました。
そういう個人事業主の八百屋さんなんかは、完全に免税事業者ですので、初めから取らないし収めないという形だったと思われます。
ここで問題になったのが、免税事業者にも値上げの権利が発生してしまう事。
免罪だからと言って、安く売っては不平等。
かといって貰って払わないのも不平等。
そこでまたルサンチマンが発生してしまう訳ですねぇ。
いえ、私は図書館をうまく利用して調べた方からお教え頂きました(爆
ちゃんとした資料として必要になった時には、改めて図書館に行こうと思っております。
ま、そんな時は来ないかと思いますが(笑)
西の魔女
2022/05/06 07:15:41
消費税導入で１番困ったのは小売店主たちだったよね。
レジも価格表示も帳簿も全て自力でなんとかしなきゃならない。
近所の八百屋さんは最初から諦めて気にしてなかったよ。
結局、単純に物価が上がっただけのことだった。
図書館を正しく利用してくれてありがとう。
私が勤務する分館には判例集は代表例を集めた書籍の形でしか置いてないけど
本館では全文見ることができます。活用してくれる人がいるのは本当にありがたいことです。