南の魔女クレア125
幽霊のマキバルが幽霊の姿に戻って薄暗い廊下でうつむいてぼーっとしている事が多くなった。
魔女と言うか人間と言うかマキバルにそんな様子のマキバルに接するのはクレアだけでなので問題は無いが農場の管理の仕事に出なくなったのでクレアが実際に農場にでて色々と指図をする様に成ったが仕事に入っている村人達はマキバルの方が仕事がしやすい様で厳しい目つきで高い木の上から龍にまたがって見張っているクレアが来ると村人はマキバルの事を心配し始めた。
マキバルは150年近く修道院の中で修道士達や牧師とのやり取りを見ていたのでもともとはどこかの国の王子で育ちも良く更に150年近く色々な牧師が人々の相談に乗ってきていた様子を見ていたので物腰や口調が柔らかくも話し方に説得力があり全体を把握して更に其々の家の事情も幽霊独特のやり方で見てきているので其々の家の事情を把握して仕事の時間帯や内容を決めていたのでクレアの様に時間が来ても来ないと給料から差っ引くといきなり怒鳴りつけたり早く帰るのを許可しなかったりと三日も経たないうちにマキバルに何かあったのかと心配し始めた。
クレアはもともとは幽霊なんだから何かあったも何も無いだろうとまるでまたクレアがこっぴどくマキバルが失敗をやらかして攻め立てたのだろうと噂してマキバルに同情していた。
そして4日目には村長が修道院を訪ねてきて「何があったが知らないが余りマキバルを攻めないで王子様として育ったのだから世間知らずの所は多めに見てやって欲しい」と言って来た。
流石にクレアもほおって置けないと思いマキバルと呼び出して村長が心配しているのだから悩みがあるのなら信頼できる誰かに相談をしなさいとマキバルが閉じこもりそうな壁に向かって言いました。
マキバルは相談したいと思う修道院館長はもういないので村の教会の牧師様の所に行って相談してきて良いかと言うので構わないというとクレアより村長と相談に行きたいと言うのでマキバルの姿が見える形にしてあげるとマキバルと村長は教会の牧師様の所に行きました。
村の教会の牧師様はシドリアル宗派からの派遣でしたがクロエラルド国の歴史書を持っていました。
マキバルが此の村の修道院に来るはめになった十字架の下の部分にマキバルが死亡した日付が彫られていたのを覚えていて其の日付と其の白猫が言った海賊と魔女が闘っていた時期は50年程の差があると牧師様が言いました。
牧師様が当時のクロエラルドは12の小国に別れていて其れを今のクロエラルド国が小国を自国の領土の中の自治国としていてマキバルの名字の国も其の一つだったと歴史書を読みながら教えてくれましたけどマキバルが海賊にさらわれた事も其の海賊の船が大嵐で沈んだ事も書いてないと教えてくれました。
マキバルがクレアが自分を怖がらずに認めてくれて頼りにしてくれているので魔女は怖いと思ったり憎んだ事は無かったのだけど僕を魔女が殺したと思うと「魔女」に対する考え方がどう考えてよいのか解らなくなったと牧師様に言いました。
牧師様は其の白猫が仕えていた魔女は何故海賊と闘って総ての海賊を滅ぼしたのかを詳しく聞いたらどうかと提案してくれました。
其処でマキバルは村長の館の割と豪華な椅子でくつろいでいる白猫の所へ行きました。
白猫は壁からすっと通り抜けて入って来たマキバルに驚きながらもマキバルが自分が幽霊になった訳を話しました。
白猫は如何に海賊たちが非道の限りをやっていたかと言う事と「偉大なる魔女」は自国に其の被害が及んだのでお怒りになった事と海賊軍団との戦争は他の国が討伐しようとしてもかなわない程彼らは強い大船団を持っていた事と其の海はクロエラルドと「偉大なる魔女」が支配していた国の間の海で起きたのではなくもっと西にある「偉大なる魔女」が支配していた国と海を西に2週間ほど行った大陸にある国の中間に小さな島が幾つも点在している所があり其処の数々の島に最初は其々の島をアジトにした海賊軍団だったが最後は其れを一つにまとめた大きな海賊軍団になって其処を避けるために遠回りをして倍の一か月をかけて船が来なければならない程で多くの船が其の辺りを避けだすと今度は陸に上がってきて村を襲い略奪をして回って女子供をさらっては奴隷として売ったりし始めた。
撃退しようにも船からの攻撃に色々な国が手を焼いていた。
そうやって海に近い所を襲っている内に「偉大なる魔女」が支配する国も海に近い村も港も被害に遭った。
其処で海賊との大戦争になったと白猫は言いました。
そしてマキバルの祖父の事を言ってマキバルの祖父が子供時代に魔女がマキバルの館に行ったことが在って詳しく其の事を教えてくれました。
マキバルが覚えている館の内部の様子や庭の様子を二人は懐かしそうに話をしました。
マキバルはクレアもキリアマリ国がモゾリアナ国を襲撃した時に闘った事ドラゴンに乗って闘った事も龍に乗って闘った事も話すと初めてクレアが魔石を取った魔女だと言う事を知ってハタルは驚きました。
更にドラゴンと白いフクロウ人間の話をすると其れは「偉大なる魔女」が呼び寄せた魔女でドラゴンは海賊と闘う時に一緒に闘った使途で知恵の力を持ったフクロウは海賊との闘いでほとんどの力を使ってしまった魔女が次の魔女に知恵を伝授するようにと「魔女の城」に戻さなかったと後は殆どの使途を「魔女の城」に戻したが力が尽きてお亡くなりになられたと言いました。
其の話をクレアが聞いて白猫をまた呼び出しました。そしてクレアはクレアの仕事場と魔女の城の一つの部屋のドアが繋がっている事を言って魔女の城に帰りたかったら何時でも此処から帰りなさいと言いました。
マキバルはびっくりしてクレアに「偉大なる魔女」に執事として仕えた様に仕えて欲しいと頼みましたがあっさりと断られました。
するとマキバルは自分の手伝いをして欲しいとどうしても魔女の城に戻らないで自分の傍にいて欲しいと幽霊を説得し始めました。
マキバルが言うにはクレアの役に立とうとしているが失敗ばかりしてクレアに迷惑をかけている事、此れから大きな館に此の修道院を作り変えるのに自分が自分の国の城に居た時は子供だったし後は修道院しか知らないし王子だったので執事の仕事は解らないでクレアに自分の館なのに居心地が良い環境を修道院が館に変わった後に作れるか心配だと言って自分の力になって欲しいと説得していました。
白猫は何度も何度もマキバルが幽霊なのでどこに行ってもすっと表れて説得するので遂に白猫は館が出来上がってからマキバルに仕えるのなら館の出来映えを見てから考えると言いました。
クレアはマキバルに農場の管理から自分が此の修道院に住む様になってからの自分の面倒もマキバルが仕切っているのに気が付きました。
確かに朝食が何も言わなくてもクレアの様子を見て出て来たり夕食も黙っていても出てきていました。
其の手配をマキバルがしていたのでしたが余りにも当たり前にクレアの都合に合わせて出て来るので誰が其れを手配しているのかも考えても見ませんでした。
其れだけ農場の管理以外にもクレアが修道院に住む事によってマキバルの仕事がいくら料理を作ったり掃除洗濯をするぬいぐるみが増えても其の管理をマキバルが総てしていてマキバルの負担が多くなっていたのだとクレアは改めて気が付きました。