人に優しく

赦してちょ

愛と平和を

契約

人生

彼は収容所に入ってまもないころ、天と契約を結んだ。

つまり、自分が苦しみ、死ぬなら、代わりに愛する人間には苦しみに満ちた死をまぬがれさせてほしい、と願ったのだ。

この男にとって、苦しむことも死ぬことも意味のないものではなく、犠牲としてのこよなく深い意味に満たされていた。

彼は意味もなく苦しんだり死んだりすることを望まなかった。

わたしたちもひとり残らず、意味なく苦しみ、死ぬことは欲しない。





ー 『夜と霧』 ヴィクトール・エミール・フランクル ー