七十二候コーデ 小満次候 紅花栄
「おもひでぽろぽろ」からタエ子
1960年代ファッション
白黒の横じまTシャツに 麻のジャケット 白のGパン
都会から親戚の紅花農家に援農にきた
会社員タエ子27歳
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24節気72候のうち
小満次候 紅花栄(べにばなさかう)
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紅花農家に援農に来たタエ子
「十歳のころの思い出」の少女(自分)に
励まされ、自分の居場所を決める
ここは紅花色の背景で我慢
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三十年ほどまえ、家にジブリの当時の全作品DVDがあった
ジブリの傾向を知りたいために見た作品だ
そうでなければ見ていないだろう
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女性の生き方が「女らしく」に歪められていることを
美化して描いていて気持ち悪い
ありのままが性別によって受け入れられない社会の中で
家族役割として「らしさ」が求められ
個性が「わがまま」と片付けられてしまうことに
自由に真摯に立ち向かえないんだろうという
もどかしさがある
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好きでもない、わくわくもしない「おもひでぽろぽろ」を
なぜ、選んだかというと
それは、「思い出」の記憶があふれ出てくる空間と時間がここに描かれ
その「思い出」が自分の未来をつくる援けをしてくれるテーマだから
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「記憶」をつなぎ合わせていくと
見えない自分が見えてくる
私は記憶することを拒むことで自分を護った体験を持つ
「パズル症候群」と自分では呼んでいる
突然フレッシュバックする記憶
なぜ、それを思い出すのか自分でも理解できない
フレッシュバックが起きるとき
頭を殴られたようなショックがあり
他のことが頭に入らなくなる
話さなければならないことは脳の奥に押しやられ
しなければならないことは手につかなくなる
自分の顔が強張って行くのを鏡で見るときの恐怖は
なぜ、そうなるのかがわからないことだ
フレッシュバックが起きたときの一コマが
大きなひとつの「記憶」の一ピースなんだと気が付いたのは
呼吸法トレーナー研修セミナーの途中だった
心理学の本を読む宿題がでて
分厚い本を読んだ
ページを開くと
ところどころ白紙になっている
「おかしい!」と思わない
「白紙になっている」としか思えない
いや、ところどころここが読みたいと思うところだけ
「なんで白紙なんだ?」とは思うのだが
同じ本を読んでいるだろうセミナーの友人に確かめようともしなかった
全部読み終わって
本のページを一冊ペラペラとめくりながら総ざらえした
やはり、白紙になっているところは白紙のままだ
目をつぶってページを開くことを繰り返し
印刷されていない部分が行の途中から始まっていることを確かめる
一年ほどで、この本に書かれていることを全て読めるようになった
何を読めなかったか?
四〇歳の自分が知らないほうがいいこと
脳がしまいこんだ「3歳の記憶」を開放させてはならないのだろう
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思い出というものが
現時点の自分の始まりに行きあたるということがある
思い出の一点一点は
社会や時代を照らしだす軸となり
「自分」と思っている「自分」に起こった記憶が
生れる以前の深い広いところへ
自分が進化していく道標ともなる
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自分の居場所を照らし出してくれる「記憶」が
「思い出」として蘇り
自分の居場所を決める励ましになってくれる
そんな共通点を「おもひでぽろぽろ」に見た
大潮
2022/05/27 07:51:00
はるさん
「風の谷のナウシカ」に代表される宮﨑駿作品群とは
明らかに違う「おもひでぽろぽろ」だけど
それは「かぐや姫の物語」まで続いていて
わたしは宮崎ファンだなと感じた始まりだった
宮﨑アニメはテレビの「まんが日本昔ばなし」の頃から
見ていて、東映動画の短編「たつのこ太郎」が妙に好きです
だけど、「ルパン三世」はアニメ作品としてはいいけど
見たくないほうに入ってしまう
「ゲド戦記」は友達と回し読みしたことがあって
原作が手元にないけど
ウクライナで起きている報道を見るたびに、
読みなおしてみたいと思う
ル・グウィンが宮崎駿監督を希望したが
結局、吾郎監督になったというさわりしか知らないので
そのあたりの話も面白そうだね
ジブリを先に観ちゃったので
「おもひでぽろぽろ」の原作を読むのはちょっと辛いかなと感じてしまい
未だ読んでいないんだけど
次の「麦秋」候でその辺の「自分」にアタックできるかな
ちょっとがんばってみよう
「紅花」で、取り上げてしまったのだけど
自分の感性とは違うものは
自分の中の後始末がきついなと思うので
どこで折り合いをつけているのか
自分ではっきりさせるのも面白いなと思った
はる
2022/05/27 04:59:04
いや、原作の漫画は読んでいないのです。
そして実写版も見てないのでアニメとの差も不明。
『魔女の宅急便』の原作はアニメの後で読みました。
『床下のこびとたち』は元々原作を読んでいました。
私が郷愁を感じるのはジブリアニメ全般です。
全部見ているわけじゃないんだけどねw
ル・グィンの件は、十代で『闇の左手』から入って
『ゲド戦記』もそのまま読んでいて
性差でどうこう、役割がどうこう、あるべき姿がどうこう
ってのに「ノー」を主張してる作家なのに
ジブリアニメはないわと感じていたからです。
その頃には宮崎駿氏が面白いと思う方向に
原作が改編されると知っていたしね。
『おもひでぼろぼろ』が題材なのに、ジブリ全般に広げて申し訳ない。
『おもひでぼろぼろ』は子供時代の思い出シーン(特に割り算)と
作中で流れていた民族音楽(?)しか印象に残ってないのでござる。
あと、とてもとても根性悪いこと考えた記憶しか無い^^;
大潮
2022/05/26 22:29:25
たまねぎさん
同じ場にいても違った記憶になる
何を選択するかは
それぞれだしね
同じでなくて当たり前なんだね
大潮
2022/05/26 22:26:07
はるさん
「おもいでぽろぽろ」の原作がお好きなんですね
わたしはテレビの実写版も見たのですが
言葉化できない強い違和感を感じました
たまねぎ
2022/05/26 20:24:59
今では自分の記憶を信じないようにしてるくらい、
実用面ではかなーりあやふやになってきましたが(涙)、
さっさと忘れた方がいいような記憶は意外と残ってるもので。
忘れるから生きて行けるとも言うし、辛い記憶を受け入れてこそ前に進めるとも言うし。
でもきっと、忘れるのも思い出すのも、そのときの自分に必要なんでしょうね。
はる
2022/05/26 11:08:29
真偽の程は知らないけれど
ル・グィンが宮崎駿のアニメ化オファーを
蹴った(ただし、後にご子息がアニメ化してますが)
というのを耳にして、快哉を叫んだ記憶があります。
ジブリ映画はディテールに郷愁と安心を感じて好きなんです。
まさに子供の頃の記憶。
もちろん悩みも悲しみもあったし、それは当時の自分には
とても大きなことだったけど、それ以外は簡単だった頃。
それぞれに役割が決められていることに疑問をもつどころか
それ以前、毎日朝がやってきて顔を洗ってご飯を食べるのと、
同じように、当然のことで
そこに何かが潜んでいる可能性すら意識しない頃の安心の記憶。
だけど、自分の好きな作品は、ジブリ流に改変されたくないのよねw
今は「なんか変でしょ?」って言えるのが嬉しくもあり
自分に染みついてしまっている思い込みを始終思い知らされてしんどくもあり。
でも、いつか自分が「尊重」を体得する途中と思えるのは
やはり嬉しいことだと思っています。
大潮
2022/05/26 09:53:19
心理学の本ですか?
分厚いけれど読みやすい本です
読み物としてもよく読まれている本です
「おもいでぽろぽろ」は、わたしはジブリアニメのDVDで見たのですが
原作は漫画でTVは実写で確か松坂慶子さんがタエ子役でした。
というわけで、原作や作品紹介をおろそかにしてしまい失礼しました。
トシrot
2022/05/26 08:49:49
読書を深く読み込めれるんですねぇ、すごいゃ!!!